支え合いの現場から 地域包括ケアの行方 デイサービスの実践〈2〉|カナロコ|神奈川新聞ニュース

支え合いの現場から 地域包括ケアの行方 デイサービスの実践〈2〉

「人の役に立てれば」 総合事業に移行、研修で対応

「いきがい型デイサービス」の金曜日の利用者。社会福祉士・介護福祉士のボランティアによる認知症講座に聞き入る

 秦野市の介護予防拠点施設「広畑ふれあいプラザ」(同市下大槻)で行われている「いきがい型デイサービス」では、月曜班18人、水曜班15人、木曜班15人、金曜班22人の計70人(2017年5月現在)の住民ボランティアが運営を担っている。

 50代以下の「若手」もいるが、中心は70代。80代も少なくない。支える側も高齢者が中心だ。

 ボランティアたちは「人の役に立っていると自分自身が生き生きできる」「多くの人と関わり、いい友達ができた」「第二、第三の人生が始まった」などと、活動の手応えを語る。

 一方、利用する高齢者は70代から90代の78人(同)。80代が中心だ。月曜24人、水曜17人、木曜19人、金曜18人。状態別では、以前から通所していた一般の高齢者が33人、チェックリスト該当者(事業対象者)が36人、要支援者が9人となっている。

 地元の地域包括支援センター「大根地域高齢者支援センター」(同市下大槻)の村田雅樹管理者は「全員、地域包括支援センターを通して利用が決まります。専門的対応が必要な方には、別の介護保険事業所を利用してもらいます」と説明する。

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 デイサービスのプログラムは、各曜日ともボランティアが工夫を凝らしている。体操や認知症予防ゲーム、脳活、塗り絵、習字、カラオケ大会、誕生会、クリスマス会などはもちろん、壁を挟んで隣で勉強している市立広畑小の児童との交流会、さらに、近隣の園児との交流なども行われている。

 外部ボランティアによる企画も盛りだくさんだ。ダンス、舞踊、三味線や尺八の演奏、人形芝居、そば打ち、認知症予防講座などなど。金曜班ボランティアリーダーの藤村冨士雄さん(77)は「ボランティア団体とのつながりがあるので、それを生かしています。自主運営なので、役員と相談をしながら企画を考えています」と話した。

 同サービスはもともと、要介護や要支援ではない高齢者を対象とした事業として2002年度にスタートした。ボランティア、利用者とも満足度が高かったが、近年は利用者数が減少、送迎サービスの財政的負担も大きくなっていたという。

 そこで16年度、同サービスを介護保険の総合事業に移行させ、訪問型サービスD(移動支援)と通所型サービスB(住民主体による支援)を組み合わせたサービスとして継続することになった。これまでの利用者は継続利用できるものの、新規の利用者は要支援者、事業対象者になった。

 対象者が変化することで、ボランティアはあらためて研修を受講した。ただ、これまでの経験の蓄積もあり、木曜班ボランティアリーダーの野口昌孝さん(74)は「難しさは感じていません。大きな問題はありません」と力強い言葉だ。

 ◆いきがい型デイサービス事業 広畑ふれあいプラザで行われている「いきがい型デイサービス」事業で、各曜日のボランティアグループへの秦野市の補助金は年各8万円。ここからボランティア保険や事務用品、消耗品などを賄っている。運営ボランティアは完全に、企画に協力の個人・団体も基本的に、無償のボランティア活動。昼食作りの際のガス代など水道光熱費はプラザの予算から支出されている。

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