いざロシアへ W杯に挑む県勢(上)J1川崎 大島僚太|カナロコ|神奈川新聞ニュース

いざロシアへ W杯に挑む県勢(上)J1川崎 大島僚太

攻守のつなぎ役として期待が高まる大島=8日のスイス戦(共同)

技術磨き中盤の鍵に


 6大会連続のワールドカップ(W杯)に臨むサッカー日本代表は19日、1次リーグ初戦のコロンビア戦を迎える。2010年の南アフリカ大会以来となる16強進出へ、チームの力となることが期待される大島僚太(25)、遠藤航(25)の県勢2選手の思いを伝える。

 繊細なボールタッチで相手の圧力をかわし、正確な長短のパスで攻撃のタクトを振るう。難敵ぞろいのH組突破を狙う日本代表の中盤でキーマンとなるのがJ1川崎の大島僚太だ。

 「今、日本で一番うまい選手」。川崎一筋16年目で長らく日本代表の主力も務めた中村憲剛が賛辞を惜しまないボランチ。その原点は、数多くのテクニシャンを育み、三浦知良=J2横浜FC=ら70人以上のJリーガーを輩出した静岡学園高時代にある。

 「練習は嘘(うそ)をつかない」とは同高OBでもある川口修監督の教えだ。個人技重視の南米スタイルを理想に掲げる技巧派集団。「自分よりも努力している同級生に負けたくなかった」。居残りでのドリブルやリフティングでひたすら足先の感覚を研ぎ澄ませた。

 日本代表23人でもっとも小柄な168センチのMFは「僕みたいな体格の選手が生き抜くための基礎があそこにはあった」と振り返る。
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 高校3年の10月、高円宮杯全日本ユース選手権でのプレーがスカウトの目に留まって川崎へ加入すると成長は加速した。12年途中から5季指揮を執った風間八宏氏(現J1名古屋監督)の下、「ボールがマグネットのように足に吸い付く」と中村も舌を巻く抜群のテクニックにさらに磨きを掛けた。

 「チームをどう勝たせるかは憲剛さんに教わった部分が多い。毎日、背中を見て追い掛けてきた存在」という中村や、3年連続得点王の大久保嘉人らリーグ屈指の攻撃陣の厳しい要求に応えるうちに前への積極性も向上。昨季はチームのJ1初制覇を攻守にわたって支えた。

 16年夏。1次リーグ敗退に終わったリオデジャネイロ五輪の悔しさは忘れていない。主将を務めた同い年の遠藤航=J1浦和=とはA代表選出時に「リオ世代で突き上げていこう」とさらなる大舞台での活躍を誓い合った。

 「はじめてW杯を見た時はまさか自分がこういう舞台に立てるとは思っていなかった。本当に夢のような舞台だと思っていた」

 15日は腰痛により別メニュー調整を行ったが、格上が居並ぶ1次リーグでは守備的な戦術を強いられる可能性もあるだけに、前線への正確な配球で局面を打開できる大島の存在が鍵になる。「ボールに関わることで自分の良さが出る。相手のプレッシャーに押されることなく、強気に攻撃を展開したい」。鮮やかなパスでゴールへの道筋を切り開く。

 大島 僚太(おおしま・りょうた)。W杯初選出。16年リオ五輪代表。Jリーグ屈指の技巧派MF。広い視野と繊細なボールタッチで攻撃を組み立てる。168センチ、64キロ。25歳。静岡県出身。

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