水の循環をバーチャル体験 川崎の水処理センターで来春
- 暮らし話題|神奈川新聞|
- 公開:2018/06/04 17:24 更新:2018/06/04 17:46
「見えない下水道を探り水環境を考える」をコンセプトに、上下水道での水の循環や大雨時の下水道の役割などを学べるようにする。市は広報施設関連の予算に関し、備品購入などで約1億4千万円を見込んでいる。
これまでも、水中の土砂や浮遊物などを沈殿させ、水を清澄化する役割がある「沈殿池」などの施設見学は行ってきたが、映像や音を使ったバーチャル体験も加え、より分かりやすくセンターの重要性を発信する。沈殿池などのある施設と、沈砂池管理棟の2棟を約2時間で巡る見学コースを想定。予約制で職員が案内する。
目玉となるのは、沈砂池管理棟4階のバーチャル体験展示室だ。A4サイズのタブレット端末を35台用意。自然界や市内の上下水道を巡る「水の旅」や、同センターの下水処理の仕組み、浸水対策、処理水の有効活用などをARを活用して疑似体験することができる。
1階エントランスには多言語対応のLED(発光ダイオード)パネルディスプレーを設置。2階のガイダンス映像ルームでは、プロジェクターを使って下水道の全体像を分かりやすく紹介するほか、水質試験室で下水処理のために働く微生物を顕微鏡で観察できる。微生物の様子は電子モニターに映し出され、複数の人が同時に見ることができる。
同局は「進化する水処理技術についても、映像による展示なら随時更新が可能。施設見学とともにタブレット端末や映像を使ったバーチャル体験で水を巡る環境に一層関心を持ってもらいたい」としている。