〈時代の正体〉「差別に触れさせたくない」ヘイト避け子どもイベント会場変更|カナロコ|神奈川新聞ニュース

〈時代の正体〉「差別に触れさせたくない」ヘイト避け子どもイベント会場変更

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2018/05/29 04:00 更新:2018/05/29 09:10
【時代の正体取材班=石橋 学】人種差別の扇動を繰り返し、川崎市のヘイトスピーチ対策の阻止を公言する極右活動家、瀬戸弘幸氏が6月3日に市教育文化会館(川崎区)で講演会を計画している問題で、同じ日の同時間帯に同会館で予定されていた子ども向けイベントの会場が急きょ変更されたことが28日、分かった。イベントを主催する川崎青年会議所(JC)は「差別し、人をおとしめる言葉を子どもたちに触れさせるわけにはいかない」と話している。

 子ども向けイベントは主に小学3~6年生を対象に、数学の楽しさを知ってもらおうと企画された。定員は200人。同JCは同会館から瀬戸氏らの講演会計画を告げられ、「自分たちのイベントで子どもたちに嫌な思いをさせるのは本意ではない」と23日に会場変更を決断した。2日後に代替会場に近くの市労連会館を確保したが、「最悪中止という選択肢もあった」(同JC)と明かす。

 講演会は同会館会議室で行われるが、周辺には差別に反対する市民が抗議に駆けつけることが予想される。同JCの岡本健吾・青少年育成委員長は、講演会参加者が抗議の市民に「朝鮮人は出て行け」などとヘイトスピーチを浴びせる場面が頭をよぎったという。瀬戸氏が主催したヘイトデモに参加した差別主義者の言動を新聞報道で知り、「人として使ってはいけない言葉が飛び交う所に子どもを行かせたくない。物理的な衝突も含め、保護者は不安だろうし、事が起きてからでは遅い」と、予防措置が必要と判断した。

 公的施設でのヘイトスピーチを未然に防ぐ市のガイドラインでは、ヘイトスピーチが行われる恐れがあり、他の利用者に著しい迷惑が生じる可能性がある場合、施設の使用を不許可にできる。市は「不許可の要件に合致していない」との見解を変えていない。

 岡本委員長は「個人的見解」と断った上で、「市の施設で集会を開けばどんな事態を招くか知った上で瀬戸氏は計画している。結果、川崎のためにという思いでイベントを開こうという人が会館を使えなくなっている」と指摘し、「瀬戸氏には自ら会館の申し込みを取り下げてほしい」と話した。市に対しては「大きな影響がすでに出て、傷ついている人がいる。何とかならないものか、という気持ちだ」と述べた。



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