熊本地震の支援きっかけ 災害時に使える 「ミニ炊き出しレシピ本」完成|カナロコ|神奈川新聞ニュース

熊本地震の支援きっかけ 災害時に使える 「ミニ炊き出しレシピ本」完成

大規模災害で役に立つ「おいしいミニ炊き出しレシピブック」を制作した山本美賢さん

 大規模災害時に、家族や近隣住民で行う小単位の炊き出しノウハウを満載した「おいしいミニ炊き出しレシピブック」が完成した。都内でウェブ制作会社を経営する山本美賢さん(54)=川崎市高津区久本=らが制作。2016年4月の熊本地震で被災した熊本県益城町の人々が、水や食材不足の中で工夫した簡単な調理方法を基にまとめた。

 地震発生直後、山本さんが支援物資の届け先を探す中で、益城町立広安西小のPTA役員らと知り合ったのがきっかけ。会員制交流サイト(SNS)で連絡を取り合い、欲しい食材や物資が毎日のように変わっていく実情を知った。

 当時、自身が会長を務めていた川崎市立久本小PTAの役員ら約20人で「今必要な物資」の提供を近隣の約2千世帯に呼び掛けた。大規模マンションに暮らす山本さん。発生から10日間ほどで段ボール箱計約90箱分の物資を送った。

 同町での炊き出しの様子はSNSで送られ、「被災した人たちが近所で支え合い、わずかな食材でカセットコンロを使い温かい食べ物を作り、命をつないだ」と振り返る。「行政が行う数百人単位の大規模な炊き出しとは異なる知恵、住民の協力による貴重な努力を記録に残したかった」と、災害向けの本作りを思い立ったという。

 発生から半年ほどが経過し、同町を訪れた山本さん。炊き出しで活躍した人たちと交流を続ける中、「おいしいミニ炊き出しレシピブック制作委員会」を約20人でつくった。レシピは同町で中国料理店を切り盛りする女性が「震災時だからこそ体にやさしい食事を」と考案したメニューを基本に工夫した。

 レシピブックでは、水やや電気、ガスなどライフライン復旧や被災者の疲労度に応じ、「発生直後から24時間」「25時間から72時間」「4日目から2週間」など5期間に分け、それぞれの時期に適切な料理、便利なグッズを紹介した。

 制作にはプロのカメラマンやデザイナー、山本さんのPTA仲間らがボランティアで参加。完成した料理の大きなカラー写真を添え、本格的な料理雑誌の体裁になった。制作費に充てるためインターネット上で資金を募るクラウドファンディングも実施した。

 レシピ本はA4判100ページで、3千部制作。定価1300円(税別)。問い合わせは、制作委代表の山本さん電話090(8017)8551。メールは<y-yamamoto@lockup.jp>

PR