支え合いの現場から 地域包括ケアの行方  福祉村の実践(5)|カナロコ|神奈川新聞ニュース

支え合いの現場から 地域包括ケアの行方  福祉村の実践(5)

高齢者を支援する中学生 地域に独自性、 サテライトも模索 

港地区町内福祉村と地域包括支援センターみなとの共催で開かれた「うたごえサロン」=平塚市

 平塚市内に17カ所設けられている「町内福祉村」は、拠点での居場所、サロンの開設、ボランティアによる生活支援のほか、それぞれの地域事情に応じた高齢者支援活動を展開している。

 JR東海道線から海側の東半分をエリアとする港地区町内福祉村は2001年、3番目の福祉村として誕生した。「ボランティアセンターやデイサービスもやっていた地区社会福祉協議会が母体になりました」と渡辺孝会長(80)。登録ボランティアは約150人という。

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 特徴は、地元中学生による高齢者らへの支援態勢だ。

 大人の多くが仕事で地域外に出ている平日昼間に地震や津波が起きた場合、高齢者、障害者の避難は大きな課題だ。そこで、「地域にいて、体力もある中学生に注目しました」とコーディネーターの大川和子さん(65)。地元の市立太洋中学校に連携を相談したところ快諾され、05年から毎年、同校で災害対応講習会を開催している。

 看護師、県立平塚盲学校の教員、海上保安官、ライフセーバー、女性防災クラブ平塚パワーズのメンバーらが講師となり、生徒に車いすや傷病者の搬送、心肺蘇生法などを身に付けてもらっている。「福祉村のボランティアにも登録してもらい、いざという時は分担して高齢者らの避難に携わってもらう計画です」と渡辺さん。

 同地区では16年10月、それまでの地域包括支援センターの担当エリアが二分され、港地区だけを管轄する地域包括支援センター「みなと」が新設された。山口佳枝所長は「福祉村につながることで、地域のキーパーソン、住民にスムーズにつながることができました」と、福祉村の存在の大きさを語る。渡辺さんも「福祉村と包括のエリアが一致するので、介護保険の総合事業にも一体となって取り組みたい」と、連携に期待を寄せている。

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 また、1999年に第1号の町内福祉村として誕生した松原地区町内福祉村も、充実した活動の歴史を積み重ねている。

 常設のサロンや、ごみ出しなどの生活支援のほか、高齢者サロン、子育てサロン、通学路の見守り、地域清掃などを展開。2016年度はボランティアを含め約6600人の参加があった。活動の担い手は、70代を中心に60~80代の約100人だ。

 3代目会長の小出茂さん(82)は「地域には、1人暮らしや閉じこもりがちなお年寄りが多くいる。動けなくなる前に、福祉村のような所に出てきてほしい。高齢者サロンの小規模サテライトなどもやっていきたい」と話す。「近くに身内がいないと、高齢者にはできないことも多く、生活支援が必要。困っていれば、要支援要介護に関係なく助けていきたい」と、力強く語った。

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