「人身安全対策課」設置1年 県警、DVなどの兆候監視|カナロコ|神奈川新聞ニュース

「人身安全対策課」設置1年 県警、DVなどの兆候監視

 ストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)など、死傷事件に発展する可能性のある人身安全に関する事案への適切な対処を目的に、県警が生活安全部に「人身安全対策課」を設置してから1年が経過した。2013年5月に伊勢原市で女性が元夫に切り付けられた殺人未遂事件をきっかけに、前身組織が発足。順次、体制を強化してきた。斉藤実本部長は18日の会見で「伊勢原の事件の教訓を心に刻み、引き続き安全確保を最優先に事態への対処を徹底する」と述べた。

 伊勢原の事件では、発生の約1カ月前に女性が自宅近くで隠しカメラのような物が取り付けられた自転車を発見し、警察に通報していた。だが、署員は上司に報告しないなど、十分な対応を取らず、事件の兆候を示すシグナルがあったにもかかわらず、惨事を防ぐことができなかった。

 事件を教訓に、県警は13年7月、人身安全事案に対処するプロジェクトを開始。14年4月に人身安全事態対処室を設置し、順次人員などの体制を拡充。17年4月に人身安全対策課に格上げされた。

 県警によると、17年度に同課が対応した事案は約1万5千件に及んだ。内訳ではDV関係(6715件)、児童虐待関係(6470件)で9割近くを占めた。ストーカー関係は1121件だった。半年間に40回近く女性を撮影していた男性に禁止命令を出すなど、重大事件に発展する兆候を見逃さない活動に主眼を置いている。

 事案への初動対応と継続的なフォロー体制を重視。「初動対策係」が24時間体制で各署と連携した対応を行っているほか、事案の進ちょく状況を定期的に報告する仕組みも導入した。ストーカー加害者への治療を推進するなど、医療面を含め被害者の安全確保を多角的に進めている。

 斉藤本部長は「配偶者暴力やストーカーなどの被害者にとって、警察への相談は大変勇気がいる」と指摘。その上で「多くの不安を抱えながら警察に助けを求めてくる事実を重く受け止め、被害者の命をつなぐ最後のとりでとの意識で対応に当たっていく」と強調した。

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