偽造薬水際で防げ 取り締まり強化 横浜税関 服用で命脅かす危険性も|カナロコ|神奈川新聞ニュース

偽造薬水際で防げ 取り締まり強化 横浜税関 服用で命脅かす危険性も

水際で輸入が差し止められた偽造医薬品 =横浜税関川崎外郵出張所

 海外からの偽造医薬品が横浜税関で差し止められるケースが相次いでいる。インターネットの普及で医薬品が医師の診断なしに非正規に個人輸入できるようになったことや、海外渡航の増加などが背景にある。割安感や手軽さから偽造薬を安易に服用すると命を脅かす危険性もある。税関は取り締まりを強化するとともに、製薬会社は警鐘を鳴らしている。

 横浜税関が輸入を差し止めた偽造薬は増加傾向にあり、2017年は2872点で、前年比0・8%増。一方、差し止め件数は61件と前年比40・2%減となったが、近年は郵便物として小口で送る手法が増えていることから「差し止めた件数は氷山の一角」と同税関はみる。

 同年の偽造薬を含めた知的財産侵害品の差し止め件数は5833件と前年比23・6%増と過去最多を記録。同税関では「医薬品のほかに直接肌に触れる美容用品やサングラスは健康や安全を脅かす危険性がある」と指摘する。

 海外に渡航する人たちが増えるゴールデンウイーク期間を含む4月23日から今月6日まで知的財産を侵害する輸入貨物の水際での取り締まりを強化。国内に持ち込まないようにPRしている。

 偽造される医薬品の代表格が米ファイザーの「バイアグラ」などの勃起障害(ED)治療薬だ。ファイザー日本法人(東京)や日本新薬(京都市)などED治療薬を製造・販売する製薬会社4社の合同調査では、国内外でネット販売されるED治療薬の4割が偽造されたもので、国内に大量に流入する実態が明らかとなった。

 偽造薬の有効成分を調べたところ、正規品の最大用量の1・5倍や全く含まれていないケース、着色料など正規品に含まれない物質が入った錠剤もあった。ED治療薬の製薬会社日本イーライリリー(神戸市)の担当者・細井宏紀さんは、日本では医師への相談や薬局での処方を敬遠する人が多い傾向があると指摘。「医薬品は国の基準で安全性が担保されている。国内で正規流通している医薬品を服用してほしい」と訴える。

 一方で「偽造薬を服用すると何が起こるか分からない」と警告。不純物が混入することで死亡例を含む健康被害を及ぼすことが報告されており、4社でつくるホームページ(http://www.no-fake-drug.com/)で注意を呼び掛けている。

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