港WORKER:真のクルーズ文化を 旅客船運航会社社長・熊澤喜一郎さん|カナロコ|神奈川新聞ニュース

港WORKER:真のクルーズ文化を 旅客船運航会社社長・熊澤喜一郎さん

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2018/04/30 12:51 更新:2018/04/30 16:48
 横浜港のチャータークルーズを手掛け、約10年前に始めた工場夜景クルーズが人気の旅客船運航会社ケーエムシーコーポレーション(横浜市西区)。2代目社長の熊澤喜一郎さん(59)は自社のクルーズ事業「リザーブドクルーズ」のブランド価値をさらに高めるために、新たな戦略を打ち立てた。「日本に真のクルーズ文化を切り開きたい」との決意に秘めた思いとは-。

 16日夜、日本でチャーターできるクルーザーとしては最大規模を誇る「オセアンブルー」(98トン)に旅行会社の社員や観光関連の行政職員、報道関係者らを招いたイベントを催した。

ブルーカーペットへ、ようこそ。


 リザーブドクルーズの新たなスローガンを発表した熊澤さんは「真っ青な海を滑る上質なクルーザーと、行き届いたおもてなしで日常では味わえないラグジュアリーな時間と空間をお届けしたい」と言葉を継いだ。

 液化石油ガス(LPG)タンカーを所有する海運会社を営む一方、熊澤さんの父でヨット好きの会長・蕃さん(88)が1975年に興したクルーズ事業を拡大。98年にパーティークルーズ事業を始めた。2008年にスタートした「工場夜景ジャングルクルーズ」は美しく照らされた工業地帯の景観を船から眺めるクルーズの先駆けとなり、10年に「かながわ観光大賞」を受賞している。

 イベント会場となったオセアンブルーは12年に就航し、地中海の小国・モナコの青い海から名付けた。モナコ・エルキュール湾に浮かぶ豪華ヨットをチャーターして開くパーティーや地中海のクルーズをイメージし、同船でも100人が乗船したビュッフェ形式のパーティーが可能だ。

 欧米では富裕層だけでなく、サラリーマン層でもヨットをチャーターして長期休暇などで利用している。しかし国内ではクルーザーをチャーターして楽しむ人は決して多くないのが実情だ。「日本で船をチャーターするといえば、最初に思い浮かべるのは屋形船」と熊澤さんは苦笑いする。

 経済大国といわれる日本に、なぜクルーズ文化が根付いていないのか。この問いに、日本では港の利用や法制度などで商船や漁船が優先され、クルーザーで遊ぶ場所や機会が少ないのではないか、とみる。

 船といえばフェリーや連絡船などを思い起こす人が多く、移動の手段と見られがちなことも、船に乗って時間を楽しむという文化が培っていない背景にあると指摘する。

 誕生日や記念日など、特別な時間を過ごすにはクルーザーが最もふさわしいのではないか-。

 もっと気軽に、もっと自由にクルーザーをチャーターしてほしい。オセアンブルーよりも小型だが豪華な新型クルーザーの建造を進め、今年9月に就航する予定だ。完成すれば全長20メートル、旅客定員100人で、50人までのパーティーが楽しめる。

 横浜で生まれ育った熊澤さんは力を込める。

 「このクルーザーはわれわれが目指す夢そのもの。心地よい風を全身に受け、最高のサービスで非日常が体験できるチャータークルーズの魅力を知ってほしい」

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