超絶技巧を堪能 「旅するヴェネチアン・ビーズ」展|カナロコ|神奈川新聞ニュース

超絶技巧を堪能 「旅するヴェネチアン・ビーズ」展

貴重なベネチアンビーズのネックレスが並ぶ=いずれも町田市立博物館

他の写真を見る
 ベネチアで作られたビーズが交易品として欧州やアフリカに渡った歴史をひもとく「旅するヴェネチアン・ビーズ」展が、町田市立博物館(同市本町田)で開催中だ。研究家でコレクターの小滝千佐子の収集品から、16~20世紀のベネチアンビーズのアクセサリー約120点を紹介している。

 中世から質の高いガラスを生産してきたベネチアだが、17世紀後半には英国やボヘミア地方(チェコ)で、より透明度の高いガラスが作られるようになる。

 高温のガラスを伸ばして加工する技術に優れていたベネチアでは、その特性を生かしたビーズ制作に活路を見いだす。一つの工房内で、欧州向けに輸出するビーズと、関税の低いアフリカ向けに現地の好みを反映したビーズを制作した。

 会場では双方の特徴的なデザインを技法別に紹介。現代では再現できないほどの超絶技巧が堪能できる。

 アフリカの人々が好んだのは原色ではっきりした模様。イタリア語でオッキオ、英語でアイビーズと呼ばれる目玉を模したデザインは邪気を防ぐとされた。

 ビーズの模様によって身に着けられる身分が決まっており、しま模様のカンネビーズを応用したそろばん形のビーズは高額で取引され、富裕層しか着用できなかった。

 欧州向けのデザインは、より手の込んだ繊細な細工が一粒一粒に施されており、華やかなパステルカラーが特徴だ。極細の色ガラス棒の先を熱して、ビーズの表面に絵を描くように装飾する「ヴェッテ」や、バラや忘れな草の模様を入れる「フィオラーテ」といった技法も見られる。

 同館の齊藤晴子学芸員は「小さくて持ち運びしやすく、美しくて腐らない。ビーズは交易しやすいものとして、旅するように世界中へ運ばれた」と話した。

 5月6日まで。祝日を除く月曜と5月1日休館。一般300円。問い合わせは町田市役所電話042(722)3111。

PR