大さん橋“渋滞街道”に苦悩 大型客船寄港のたびに|カナロコ|神奈川新聞ニュース

大さん橋“渋滞街道”に苦悩 大型客船寄港のたびに

ダイヤモンド・プリンセスの乗客らを乗せたバスやタクシーなどの車列。大さん橋までぎっしりと続いた=13日、横浜市中区、開港広場前交差点(画像を一部加工しています)

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 大型客船が寄港するたびに、横浜港大さん橋国際客船ターミナル(横浜市中区)につながる道路で交通渋滞が発生している。市は3月末に道路を片側1車線の2車線から3車線に拡幅し、「渋滞の大幅緩和」を宣言。ところが完成からわずか2日後、客船2隻が大さん橋に着岸すると、下船客らを乗せた車で大渋滞に見舞われ、その後も頻発する。「(追加工事などの)対策はもう打つ手はない」と市の担当者が頭を抱える中、現在の大さん橋に改修された2002年以降で最多となる今年の寄港ラッシュを迎えた。

 進む気配がない車列の先には、13日早朝に寄港したばかりの大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」の姿があった。渋滞は約2700人が一斉に下船した同日午前中いっぱい続いた。動かないバスの窓からは、外国人客のうんざりした表情がのぞいていた。

 “渋滞街道”となっているのは、大さん橋から開港広場前の交差点までの延長約300メートルの港湾道路「大さん橋ふ頭1号線」。市港湾局が管轄している。

 大さん橋と市街地を結ぶ唯一の車道のため、大型客船が寄港した際は乗降客を運ぶバスやタクシー、乗用車をはじめ、食材や荷物などを搬出入するトラックで渋滞が発生。「大さん橋から開港広場までバスで50分もかかった」などの不満が客船の運航会社などから市に寄せられていた。

 渋滞の背景にあるのは、大さん橋を発着するクルーズの増加。大型船の場合は2700人規模の乗客がその日のうちに上下船するためだ。今後も増えるクルーズ需要に応えるために、市は17年度予算に事業費2億9千万円を計上して大さん橋ふ頭1号線の道路改良工事に着手。植樹帯を削ることで、特に渋滞が著しい大さん橋から開港広場へ向かう車線を1車線から2車線に拡幅した。渋滞状況をリアルタイムに把握する車両感知器を増設し、渋滞の先頭になる交差点での信号制御システムを強化して3月30日に完成した。

 ところが、4月1日に大型客船「ノルウェージャン・ジュエル」、日本客船「ぱしふぃっくびいなす」の2隻が同時寄港した際は、大さん橋から開港広場へ向かう2車線とも渋滞の車の列が長く続いた。交差点には警察官が出動し、信号機を手動で制御した。市の担当者は「特に、新設された桜木町方面へ向かう右折レーンは渋滞解消に長い時間がかかった」と明かす。途中でタクシーから降りる客も現れ、渋滞に拍車を掛けた。

 大さん橋ではゴールデンウイーク(GW)に向けてほぼ連日客船が寄港し、4月25、26日は2隻が同時着岸を予定。GW期間中は大さん橋のほか、山下ふ頭、大黒ふ頭の3カ所に3隻が同時着岸する28日のほか、5月3、4、6日にも寄港する。

 「交通渋滞が大幅に緩和されます」。道路改良工事の完成直後に、そうアピールした市港湾局建設第一課の担当者は「結果として利便性が向上しない状態が続いている」と説明。「車道をさらに拡幅するなど、これ以上の改修工事は財政的に難しい」と苦悩の表情を浮かべる。

 開港広場前の交差点は休日やGW期間中、中華街や山下公園から横浜・みなとみらい21(MM21)地区に向かう車で渋滞が発生する。担当者は「県警など関係機関と連携を図りながら利便性の向上を目指したい」と説明する。

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