3年ぶりの舞台、自分をさらけ出す|カナロコ|神奈川新聞ニュース

3年ぶりの舞台、自分をさらけ出す

草彅剛さん

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【KーPerson】草彅剛


 KAAT神奈川芸術劇場と世田谷パブリックシアターの共同制作「バリーターク」=写真はチラシ=に出演する。3年ぶりの舞台出演で、チケットはすでに完売。「お客さんの熱気を感じて、それをパワーに頑張りたい」と意気込む。

 アイルランドの劇作家エンダ・ウォルシュによる2014年の作品。白井晃が演出し、今回が日本初演だ。2人の男(草彅、松尾諭)がある部屋で80年代の音楽を聴きながら室内を駆け回り、“バリーターク”と呼ばれる村の話を語る。そこに第3の男(小林勝也)が現れて-。

 「『カッコー時計の中にハエを押し込んで』とか、台本を読んでみてもまったく意味が分からなかった」と苦笑い。第一印象は“難解”な作品だったが、稽古を重ねるうちにだんだんとその真意が見えはじめた。

 「2人の男にはルールがあって、意味のない行動に見えても、感情を組み立てられることが分かった」と手応えを感じている。「稽古場では白井さんが見せてくれる動作の一つ一つを見逃さないように、本当に細かく白井さんを見ています」と、謎の男役に全神経を注ぐ。

 劇のテーマは人間の存在意義や、死生観。「自分では普段考えないような世界が表現されているので、演じていてすごく新鮮だし、白井さんも『なぜ、僕らは今横浜にいるのか』とか、哲学的な問いを毎回稽古で語っていて、いつも目がきらきらしている」と、芝居を楽しみつつ刺激を受けている。

 昨年、ジャニーズ事務所から独立。3年ぶりに舞台に出ると決めたのは、「自分が一番、解放される場所だから」と明かす。「心を開けるというか、自分をさらけ出して役と自分の中に重なりあうものを感じながらせりふを言わないと、舞台には立てない。鍛錬になるんです」。役者として自分を研ぎ澄ますにはライブが一番だ。同時に作品自体の魅力を語る。「正義とか悪とか単純に考えられない内容だったからこそ、そこに飛び込んで挑戦したい気持ちもありました」

 元SMAPの稲垣吾郎や香取慎吾とオフィシャルファンサイトを立ち上げるなど活動を共にする。「グループではないけれど、新しいよりどころがあるので、今、ようやく動きだした感じがあります」。大切な仲間と共に歩み続ける。「まずはお芝居のせりふを覚えないと、なかなか手ごわいです」と笑った。

くさなぎ・つよし 歌手、俳優、声優、タレント、司会者。1974年生まれ。埼玉県出身。2017年9月、稲垣吾郎、香取慎吾と共にオフィシャルファンサイト「新しい地図」を立ち上げ、新たな活動を始動。舞台の主な出演作は、第14回読売演劇大賞優秀男優賞・杉村春子賞をダブル受賞した「父帰る/屋上の狂人」(06年、作・菊池寛、演出・河原雅彦)など。出演する映画「クソ野郎と美しき世界」が公開中。KAAT神奈川芸術劇場での公演は14日~5月6日。当日券販売あり(各公演日の前日に「当日券購入整理番号」の電話受け付けを行う)。詳しくは、同劇場のサイトに掲載。


記者の一言
 KAATでの稽古後、カウボーイハットをおしゃれにかぶり、さっそうと現れた草彅さん。疲れた様子も見せず、終始にこやかにインタビューに応じてくれて、まさに“国民的スター”だった。「慎吾ちゃんは横浜出身だし、車とかバイクでよく来ますよ。空気がきれいで海もあるし、わくわくする街ですよね」と笑顔。今は、せりふを覚えることにとにかく集中していて、「タクシーの中とか、家に帰ってもずーっと台本を読んでます。でも、その熱中している感じが楽しいんです」と語ってくれた。

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