「審査員はお客の一人」 かなコン参加者へ 後藤正孝さん|カナロコ|神奈川新聞ニュース

「審査員はお客の一人」 かなコン参加者へ 後藤正孝さん

記念演奏会は審査結果発表の前に行われる。「難しい曲だとみんな疲れちゃうから、素直に聞ける曲がいいかな」=川崎市麻生区の昭和音楽大学

 「審査員も1人のお客さんですから」。

 発表会とコンクールは違うかという質問に、後藤さんは即答した。「練習したものをステージで弾くという点では変わらないと思います。少なくとも僕は変えたくありませんでした」

 ただ、コンクールだからこそ意識したことはあるという。「弾く前の所作。例えばピアノまでの歩き方や弾き始めるまでの姿勢ですね」。

 その名を一躍有名にしたリスト国際コンクールをはじめ国内外のコンクールに数多く参加してきた後藤さん。「特に海外はみんな背が高いので、その中で小柄な自分をどう印象に残すかを考えました」。役者に立ち振る舞いの指導を受けたこともあるという。



 本コンクールの課題曲はいわゆる「クラシック」の曲が並ぶ。「曲が作られてから数百年たっていますから、作曲家に直接『ここどう弾けばいい?』とは聞けません。だからこそ、楽譜をよく読むことが大切です」と強調する。

 「自分の演奏を通して作曲家の“思い”を届けること。そのために自分勝手な演奏はしないよう、今でも心掛けています」。



 一方で「(審査員からもらえる)講評を聞けば、自由な発想で弾いていいことが分かると思います」とも。自身も同じ演奏に対して「速い」「遅い」両方の意見をもらったことがあったが、それでいいという。

 重要なのは「こう感じる人もいるんだ」と知ることと、それを受け入れること。そんな心の広さが必要だと説く。

 「会場でもライバルたちの演奏は聴いてほしいですね。『この子上手だな』と思えることが大切だと思います」。

●ごとう・まさたか 1985年生まれ。4歳からピアノを始める。2011年、第9回フランツ・リスト国際ピアノコンクールで第1位と聴衆賞を獲得。現在は母校・昭和音楽大学で指導するかたわら各地でリサイタルやコンサートを行っている。川崎市アゼリア輝賞、川崎市音楽特別賞。

日時 5月13日(日)
   午後6時~(予定)
会場 やまと芸術文化ホール メインホール
曲目 ショパン:バラード第1番 ト短調 Op.23
   リスト:ラ・カンパネラ

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