五輪見据え誘客に力 欧米豪へハマPR|カナロコ|神奈川新聞ニュース

五輪見据え誘客に力 欧米豪へハマPR

ホテルニューグランドでは、ナポリタンやシーフードドリアなど、ここで生まれた料理も紹介された

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 日本観光ならYOKOHAMAへ-。横浜観光コンベンション・ビューローが、欧米や豪州からの訪日客に向けた「横浜PR」に力を入れている。2019年ラグビーワールドカップ(W杯)、20年東京五輪・パラリンピックなどで多くの来日が見込まれることが理由の一つ。主に英語で日本の情報を発信する国内の外国人向けメディアを対象に、横浜の歴史をテーマにしたプレスツアーを行うなど、横浜への関心と知名度アップに取り組む。

 3月に行われた「横浜周遊プレスツアー」には、国内の外国人向けメディアの記者ら12人が参加した。鉄道発祥の地・JR桜木町駅(横浜市中区)からスタートし、象の鼻パークなど同区内を中心に歴史をたどりながら散策。横浜マリンタワーから市内を一望した後は、ジャズが聴ける老舗バー「ウィンドジャマー」へ。昼から夜まで楽しめる街の魅力をアピールした。

 市は中国や台湾、韓国、タイなどアジアを中心にした8地域を誘客対象地域に定めている。さらに欧米豪への発信力も高める狙いについて、コンベンション・ビューロー広報プロモーション課の西海友希代さんは「ラグビーW杯や東京五輪・パラリンピックもあり、この地域を意識した内容が必要と考えたため」と話す。

 一方で、欧米豪での横浜の知名度は高いとはいえない。日本政策投資銀行などが昨年行った調査では、横浜の認知度は欧米豪の海外旅行経験者のうち26%、訪日経験のない人で23%、訪日2回以上の人で45%だった。市観光振興課の鳥丸雅司さんは「地名は知っていても何があるか知らなかったり、東京の港だと思われたりするケースもある。東京の一部と認識されている現状を変えたい」と話す。

 海外からの旅行者は大半がインターネットで渡航先の情報を集める。「そこで評価されるのは、実際に行った人の口コミ。在日外国人が横浜に来て会員制交流サイト(SNS)にアップすれば、より知られる機会になる」(西海さん)。それも踏まえ、主に英語で情報収集する在日外国人を対象にしたウェブ調査を実施。横浜の歴史文化への関心が高かったことを手掛かりに、プレスツアーを構成した。

 意識したのは、横浜の「ストーリー性」だ。

 横浜開港資料館などで開港からの歴史を知り、山手地区では山手80番館遺跡など、居留地時代を伝えながら保存活用されている場所を散策。案内役を務めた横浜シティガイド協会の椎橋四郎さんが、生麦事件と当時の日本の状況を犠牲者が眠る場所で解説するなど、参加者の理解を助けた。

 ホテルニューグランドでは、横浜の食文化として「ラムボール」の試食を設定し、ソフト面もPR。小さな村だった横浜が、開港をきっかけに西洋文化を取り入れながら、全国2番目の都市に発展するまでを体感できる形で紹介した。

 参加者の反応も上々だ。雑誌とネットで在日外国人向けの情報を発信する東京ウィークエンダーのリサ・ワリンさんは「横浜のことを書くのは年に1、2回ほど。今回、生麦事件のことなどを初めて知った。観光地としての情報というより、今も横浜外国人墓地などで歴史的なことを実際に見られることなどを紹介したい」と話す。

 ツアーで周遊した市内中心部だけでなく、豊かな自然など横浜には誰もが楽しめる要素がたくさんある。西海さんは「横浜発祥のもの、面白いものはいろいろある。1日では回りきれない街だと思ってほしい」と話している。

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