〈時代の正体〉ヘイト規制判断の公正性担保 川崎市が第三者機関設置|カナロコ|神奈川新聞ニュース

〈時代の正体〉ヘイト規制判断の公正性担保 川崎市が第三者機関設置

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2018/04/02 04:00 更新:2018/04/02 07:49
阿部部会長(中央)を選出するなど初回の審議を行う「ヘイトスピーチに関する部会」=川崎市川崎区

阿部部会長(中央)を選出するなど初回の審議を行う「ヘイトスピーチに関する部会」=川崎市川崎区

【時代の正体取材班=石橋 学】公的施設でのヘイトスピーチを事前規制するガイドラインの運用が川崎市で始まったことに伴い、市の判断の妥当性を審議する第三者機関「ヘイトスピーチに関する部会」が1日、設置された。国際人権法や多文化共生を専攻する大学教授3人、弁護士2人で構成。インターネット上のヘイトスピーチについて、市がネット企業などに削除要請する際の判断の是非についての審議も担う。

 ガイドラインでは、ヘイトスピーチが行われる可能性があり、他の利用者に迷惑がかかる恐れがある場合、市は施設の利用申請を「不許可」「許可取り消し」にできる、としている。部会は、市の判断の妥当性を審議し、公正性、透明性を担保するため、専門的見地から意見をまとめる。市はこの意見を基に最終的な決定を下す。

 同日の市人権施策推進協議会で部会の設置が決まり、協議会メンバーから委員を選出。その後開催された部会で阿部浩己・明治学院大教授が部会長に選ばれた。

 阿部部会長は、ガイドライン策定とネットモニタリング、条例制定を柱とするヘイト対策の報告書をまとめ、市に提言した同協議会の会長をこの春まで務めていた。表現の自由を侵すことなくヘイトスピーチを事前規制する制度の中核をなす部会の意義を踏まえ、「対策の最も重要な部分が部会に委ねられている。ヘイトスピーチの本質と、蓄積されてきた市の人権擁護行政を踏まえた川崎らしい判断により、骨太で先例的な基準を示すことができる。各委員には尽力と協力をお願いする」とあいさつした。

 残る4人の委員は、神奈川県弁護士会所属の小野通子、最所義一両弁護士と建石真公子(ひろこ)・法政大教授、中野裕二・駒沢大教授。建石教授は市人権施策推進協議会の会長も兼ねる。

 また、部会の設置により、市が昨年8月から試験的に実施してきたネットモニタリングが本格実施に移る。市人権・男女共同参画室の職員が1日1時間、キーワードを入力して検索したヘイトスピーチをネット企業などに削除要請する。横浜地方法務局にも情報提供し、削除要請をするよう求める。削除要請に当たり、部会が市の判断の妥当性について審議する。

PR