〈時代の正体〉ネットヘイト対策 「事業者との協議は有効」 法務省|カナロコ|神奈川新聞ニュース

〈時代の正体〉ネットヘイト対策 「事業者との協議は有効」 法務省

参院法務委員会で法務省のヘイトスピーチ対策をただす有田芳生議員=参院別館

【時代の正体取材班=石橋 学】法務省は22日、インターネット上に蔓延(まんえん)するヘイトスピーチについて、幅広い観点から対策に取り組む姿勢を示した。参院法務委員会で立憲民主党の有田芳生氏の質問に、「あらゆる制限を置かず、この問題に対応していく」と答えた。

 有田氏は、在日コリアンの母を持つ15歳の少年に対するネット上のヘイトスピーチを列挙した資料を示し、「マイノリティーというだけですさまじい人権侵害を受けている。異常事態が続いている」と指摘。規制を強める欧州連合(EU)やヘイトスピーチを放置したネット企業に最大5千万ユーロ(65億円)もの罰金を科すドイツの新法を例に、新たな取り組みを求めた。

 これに対し、法務省の名執雅子人権擁護局長は、2017年に受理したネット上の人権侵犯事件は2217件で、前年から308件(16・1%)増え、5年連続で過去最高を更新したと説明。「インターネット上の名誉毀損(きそん)、プライバシー侵害情報は伝播性が高く、情報が拡散して重大な被害を生じさせる。特に迅速な対応が必要と認識している」と述べた。

 その上で、EUの欧州委員会が米国の4大ネット企業、ツイッター、グーグル、フェイスブック、マイクロソフトと協議して設けた、ヘイトスピーチの削除を含む行動規範について「有効な取り組み」との認識を示し、現在、事業者との協議を重ねていることを明かした。

 上川陽子法相は「人としての尊厳を大切にする社会に向け、取り組みを地道に粘り強く前進させていく。関係省庁とも連携したい」と答弁した。

 また、警察庁は人種差別団体によるヘイトデモの開催回数の推移を公表した。それによると、2016年6月のヘイトスピーチ解消法施行前の半年間は約20件で、施行後の半年間も同じく約20件だった。17年は約50件、18年に入って1、2月の2カ月で約10件と増加傾向にあることが分かった。

 有田氏は「(理念法である)ヘイトスピーチ解消法では実効性が限定的。新たな法整備が必要だ」と重ねて強調した。

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