書簡でたどる名士像 二宮、徳富蘇峰記念館で特別展|カナロコ|神奈川新聞ニュース

書簡でたどる名士像 二宮、徳富蘇峰記念館で特別展

展示は1人1通。手前右は、巣鴨プリズンに収監中の正力松太郎からの鉛筆書きの手紙。検閲に配慮してか漢字にルビが振られている

 明治、大正、昭和にかけ言論人として活躍した徳富蘇峰と各界の人々との交流を、蘇峰宛ての書簡でたどる徳富蘇峰記念館特別展「相模湾沿岸地域ゆかりの名士(湘南編)」が、二宮町二宮の同館で開かれている。12月16日まで。

 一昨年の「大磯編」、昨年の「西部編(二宮~下田)」に続く、3回シリーズの最終章。同館が所蔵する蘇峰宛ての書簡約4万6千点から、平塚、茅ケ崎、藤沢、鎌倉、さらには蘇峰が別荘を構えた逗子、葉山、横須賀までのエリアの62人に絞って構成。

 登場するのは広田弘毅、浜口雄幸、近衛文麿ら首相経験者や、文化芸術関係では夏目漱石、長谷川一夫、吉屋信子ら。ほかにも実業家、軍人、医師など分野も多彩な人々からの手紙各1点を、人物紹介とともに展示した。

 結核療養中の国木田独歩は茅ケ崎の南湖院から見舞いお礼のはがき、平塚らいてうは蘇峰に贈った自著への批評を願う手紙を出した。高橋是清は祝賀会の座札の裏に即興で祝いの句を記し、正力松太郎は戦犯容疑で収監された巣鴨プリズンから鉛筆書きの近況報告を送った。

 「蘇峰の交遊録はそのまま日本の近現代史を映し出す。さまざまなやりとりを重ねる手紙文化も感じてもらえれば」と同館の学芸員は話す。

 原則月曜休館。一般700円。問い合わせは、同館電話0463(71)0266。

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