中華街摩登(51)学んで案内、中華街の魅力 認定コンシェルジュ活躍|カナロコ|神奈川新聞ニュース

中華街摩登(51)学んで案内、中華街の魅力 認定コンシェルジュ活躍

ツアー参加者に歴史や文化も紹介 「ソフトの発信力を」

横濱媽祖廟で参拝するツアー参加者ら=横浜市中区

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 横浜中華街(横浜市中区)には、街の歴史や文化を学び、その魅力を発信しながらおもてなしをしようと活動する人たちがいる。「横浜中華街コンシェルジュ」だ。春節シーズンとしては初開催されたコンシェルジュツアーに同行した。

 「こちらの白い石は(中国の)福建省から取り寄せた御影石。大通りの交差点4カ所に埋め込まれた黒いプレートには方角や時間、季節などを守護する四神(青竜、白虎、朱雀、玄武)が彫刻され、お客さまの安全と集客への願いが込められています」

 2月28日昼に実施されたツアーには男女19人が参加。メインの案内役は坂口清香さんが務めた。普段は中華街のインフォメーションセンター「ChinaTown80」で働いている。

 6人のコンシェルジュの引率の下、一行は大通りをスタート。善隣門や横浜関帝廟(びょう)、山下町公園、横濱媽祖廟(まそびょう)などを巡り、説明を受けた。

 コンシェルジュ制度は2000年、横浜中華街発展会協同組合が始めた。2年に1度の養成講座で食文化や歴史、ホスピタリティーなどを学び、試験をクリアした人が認定を受ける。

 現在、第1~9期生までの約160人が活動。ホテルや百貨店のように専従で案内を行うのではなく、同組合加盟の料理店や雑貨店などの従業員が認定を受けているのが特徴だ。コンシェルジュのバッジを着けた人たちが、例えば料理を提供しながら、中国の文化や風習などを紹介している。

 「ハードは先人たちがつくってくれた。ソフトの部分をどう高めるかが私たちの役割」と、同組合コンシェルジュ委員会の委員長を務める武松昭男さん。訪れた人が中華街についてより深く知ることで「また来たいと思ってもらいたい」と、狙いを説明する。

 「媽祖様は林黙娘(リンモウニャン)という実在した女性を神格化したもの。海上関係の仕事をする家族が嵐に遭った際、神通力で救おうとしたエピソードで有名」。ツアーで訪れた横濱媽祖廟で、坂口さんは解説した。家内安全などの御利益があるとされ、一行は参拝も体験した。

 昼食の会場は「菜香新館」。中国では旧正月「春節」の時期に縁起の良い料理を食べる風習があるという。用意されたのは皮付き豚ばら肉のプーアル茶煮込み、腸詰めと干しエビのハスの葉包み蒸しご飯、餅など7品。参加者はコンシェルジュと円卓を囲み、一つ一つの意味などを聞きながら料理を堪能した。

 母親(72)と参加した横浜市西区の女性会社員(43)は「普段何げなく通っていた場所ばかりだが、初めて知ることが多く、より地元が好きになった。料理もどれもおいしかった」と笑顔だ。

 今回のツアーは2月23日夜と合わせて計2回実施。30~40代前後の女性や年配の男性など、一人での参加者も多く、「普段、一人では食べられないコース料理が味わえて良かった」との声も聞かれたという。

 武松さんは「時代のニーズに対応した商品やサービスが重要だと実感した。コンシェルジュの知識を広く発信するためにも、今後もこうした企画を手掛けたい」と意気込んでいる。

 問い合わせは、発展会電話045(662)1252。

中華料理店など約600店が連なる世界最大のチャイナタウン・横浜中華街。来街者のニーズを敏感に捉えながら、パワフルに変化を続ける「摩登(モダン)」な街を追う。

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