人生切り拓く本を 養護施設に100冊選び寄贈へ|カナロコ|神奈川新聞ニュース

人生切り拓く本を 養護施設に100冊選び寄贈へ

読書普及活動に取り組む小松雄也さん=川崎市幸区の北野書店

 児童養護施設の子どもたち一人一人に、選び抜いた100冊の本を届けたい-。読書普及活動に取り組む一般社団法人「ビブリオポルトス」代表理事の小松雄也さん(27)=川崎市中原区在住=が、そんな図書寄贈の実現に向け、クラウドファンディングで資金を募っている。すでに1施設分に当たる目標10万円を確保。近く同区の施設の子どもたちにアンケートを行い、一人一人に合った「オススメ本」を選ぶ作業に入る。

 小松さんは大学在学中に面白い本の魅力を紹介し合う書評合戦「ビブリオバトル」と出合い、2014年に法人を設立。卒業後に入社した出版取次大手を1年で退社し、今は法人の講演活動で各地を回っている。

 今回の企画は、会社員時代に訪れた長野県の中学校での経験が下地にある。中学3年生の1クラス34人にアンケートを行い、部活動や夢中になっている事柄を参考にお薦めの本を1人ずつ選んだところ、読書量が3倍以上に増えたという。

 児童養護施設の子どもはテレビやゲームの時間が限られ、本を手にする時間は比較的長いとされる。ただ、自由に使えるお小遣いが限られ、好きな本を買う余裕がないという。

 小松さんは本との出合いで人生が変わった自身の経験から、「子どもが『自分のために書かれたんだ』と思えるぐらい最高の一冊、人生を切り拓(ひら)く一冊を一人一人に選びたい」と話す。

 趣旨に賛同する企業の協力も得た。少しでも長く読んでもらえるように、本をフィルムコーティングする作業は地元の北野書店(本社・幸区鹿島田、北野嘉信社長)が無償で協力。丁寧な作業に定評のある障害者4人が担当する予定だ。

 本を選ぶ「選書」はアンケートの回答を見ながら、子どもの好みを考えて一人一人に寄り添う作業。ビブリオバトルの経験を通じ蓄積した面白い本の膨大なブックリストのほか、知人の書店員、読書家の仲間の意見を参考に行うつもりだ。

 選ばれた本はまとめて施設に寄贈され、ターゲットの子どもだけでなく皆で共有して読書を楽しんでもらうようにする。

 小松さんは「全員に面白い本と思ってもらえるよう一生懸命に選びたい。『選書図書運動』と名付け、学校や他の子ども施設にも広げられれば」と話している。支援はクラウドファンディングサイトのレディーフォー(「ビブリオポルトス」と検索)で3月1日から31日まで受け付け。同6日で1施設分の10万円を突破し、支援額が今後増える分だけ寄贈先も増やしていく方針だ。

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