伝説の夏と、凡事徹底 前橋育英監督 荒井直樹|カナロコ|神奈川新聞ニュース

伝説の夏と、凡事徹底 前橋育英監督 荒井直樹

全国のライバル編 58/100

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2018/03/11 02:00 更新:2018/03/11 02:00
神奈川高校野球100回大会 夏の神奈川大会に合わせて県高野連が毎年発行する大会誌。「記録集」のページをめくると、個人、投手の欄に不滅の記録がある。

 2試合連続ノーヒットノーラン 昭和57(1982)年 荒井直樹(日大藤沢)

 この一行が書き換えられる可能性は、ほぼないと言っていい。投手と相手打線に力量差があっても、コールドゲームなら参考記録にしかならないし、3戦連続でヒットを一本も許さずに9回を完封するなんて、ほぼ不可能だ。あの作新学院の江川卓が栃木大会で「ノーヒットノーラン3試合」を成し遂げているが、それも連続ではない。

 「ただ運が良かっただけです」。まず、高校時代の大記録のことを尋ねると、2013年夏の甲子園優勝監督は、そんなふうに苦笑した。「自分はそこまでの投手ではなかったし、自分を含め打線が打てなかったから、九回まで行った。社会人野球に進んでピッチャーを3年でクビになった身なので、すごい投手みたいに言われるのが恥ずかしいんですよ」

 荒井は日藤を卒業後、いすゞ自動車(藤沢市)に進むと、野手に転向した4年目以降から頭角を現し、チームに18年ぶりとなる都市対抗大会出場をもたらした。引退後、3年間母校の監督を務めた。縁あって1999年に前橋育英(群馬)のコーチに就き、2002年から指揮を任された。それまで県大会ベスト8程度だったチームを鍛え上げ、13年夏の甲子園で初出場初優勝を果たした。

 今や北関東を代表する名将は、神奈川の高校野球を内からも外からもよく知る指導者だ。
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