「自分に呪いかけないで」 虐待被害者の言葉|カナロコ|神奈川新聞ニュース

「自分に呪いかけないで」 虐待被害者の言葉

 両親などから受けた虐待の体験をまとめた書籍「日本一醜い親への手紙/そんな親なら捨てちゃえば?」(クリエイトメディア編)には100人の手紙が収められている。「惨殺したい」「生き抜いてみせる」。憎悪、悲しみ、決意。血が噴き出してくるような言葉が並ぶ。県内で暮らす「そらさん」(49)は、幼い頃に義父から受けた性虐待について言葉をはき出していた。

 そらさんは色白で、時折見せる笑顔が印象的な女性だ。本人も「周囲からは天真爛漫(らんまん)で悩みなんかなさそう、と言われます」と穏やかに語る。

 そんな女性が「罪に問われない殺人者」のタイトルで、同書に3ページにわたり“叫び”をつづった。

 あなたにとっては、自分の欲望を満たすためのちょっとしたいたずらだったのでしょう。でも、いたずらなんて軽い言葉ではすまされない。私みたいな人やまわりを傷つける凶器みたいな人間を作り出すのは、あなたのような魂の殺人者です。

 小学4年の時。プロレスごっこの最中に、義父は下着の中に手を入れてきた。何をされたか理解できなかったが、幼いながら「これは誰かに話してはいけないこと」と悲しい気持ちを瞬間凍結した。

 うれしいことも、楽しいこともある日常。血が流れている心の中で、痛みを凍結し続けることは簡単ではない。「エネルギーを注がないと、端から解けだし、無神経に傷つけられた時のにおいがしてくる」。そらさんは今、そう表現する。

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