外国につながる若者の居場所 「Rainbow(レインボー)スペース」「仲間いれば安心」 卒業生が運営|カナロコ|神奈川新聞ニュース

外国につながる若者の居場所 「Rainbow(レインボー)スペース」「仲間いれば安心」 卒業生が運営

活動について話し合う「にじいろ探検隊」のメンバー。(左から)コーディネーターの林さん、徐さん、余さん、陳丹艶さん、陳彦熹さん、程さん=横浜市中区

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 中国など外国につながる若者のための居場所「Rainbow(レインボー)スペース」が横浜市中区にオープンした。運営するのは、同様のルーツを持つ高校生から大学院生までの8人。日本語が母語ではない若者の交流と、同じような経験を持つ自分たちの姿を通じて将来の可能性を広げてもらうことが目的だ。

 1月29日に同区役所別館で開かれた集まりに参加したのは、高校生を中心に15人。飛び交う言葉はほとんどが中国語だ。教科書を広げて勉強を教わったり、友人と談笑したり。約2時間、にぎやかな声が途切れることがなかった。

 同所にある「なか国際交流ラウンジ」では、2009年から外国にゆかりがあり、日本語が苦手な中学生を対象にした学習支援教室が行われている。高校受験の支援が目的の一つだが、進学後に「高校の教科書の内容が分からない」「友人ができない」などの悩みを抱え、教室を訪ねる卒業生が少なくなかった。同ラウンジスタッフの中村暁晶(あき)さん(44)は「日本社会でやっていけるのかというのが本当の課題。だが、高校生への支援は何もない」。それを受け、教室を開く市国際交流協会が17年度からスペースを立ち上げた。

 運営する若者は、8人全員が教室の卒業生だ。多くが中学生のときに来日し、言葉や学習、人間関係などに悩んだ経験を持つ。コーディネーターの林(リン)錦園(キンエン)さん(23)=早稲田大大学院1年=は「気楽に来られて、集まって話せる場所がほしいと思った。仲間がいると知るだけで安心できる」と話す。

 進路の選択や日本の受験制度に戸惑う生徒も多い。徐(シュウ)毅強(イーチャン)さん(20)=芝浦工業大1年=は「身に付けた技術や知識を活用し、後輩に伝えたい。ともに成長し、自分の視野も広げたい」。大学進学を目指す陳(チン)彦熹(イエンシイ)さん(18)は「日本語で先生に質問できない人に、母国語で教えられれば」と意気込む。

 スペースは交流の場でもある。程(テイ)佳欣(カキン)さん(17)=鶴見総合高2年=は「化粧の仕方や彼女に何を贈ればいいかなど、友達のように話してほしい」と笑顔。陳丹艶(ダンイェン)さん(16)=同高1年=も「外国をルーツにする子との関係を縮めたい」と話す。余(ヨ)清龍(セイリュウ)さん(18)=神奈川総合高3年=は、中学時代にいじめを受けた経験がある。「僕が(直接)助けられる人はいないかもしれないが、自分自身も鍛えられる場になれば。後輩と一緒に日本で可能性を広げたい」。活動はメンバーの成長も促している。

 今月3日にはシンポジウムを開き、運営メンバーが思いを語った。活動を支える同協会事務局長の坂本淳さんは「若者たちはいずれ社会人になり自立する。彼らが未来を切り開く一歩になれば」と期待する。

 始まったばかりの活動は試行錯誤が続く。林さんは「想像していた活動はなかなかできていない。一方で、私たちは強くなっていい先輩の姿を見せないと、という考えも出てきた。頑張ればこうなれる、というロールモデルになれれば」と話す。

 レインボースペースは、原則隔週月曜日、同区役所別館で開催。同区に住む中学生から大学生までが利用できる。問い合わせは、なか国際交流ラウンジ電話045(210)0667。

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