知ってほしいレッドデータ(6)改訂作業に託す思い|カナロコ|神奈川新聞ニュース

知ってほしいレッドデータ(6)改訂作業に託す思い

県立生命の星・地球博物館学芸員 松本涼子

里地里山では、人が適度に関わることで生物多様性が維持され、豊かな原風景が続いていく。写真は、人と自然が共生する風景の一例(2005年、秦野市名古木)

 新型農薬、土地開発、外来生物…。さまざまな人為的影響を受け、生物を取り巻く環境は日々変化し、絶滅危惧種は年々増加傾向にある。レッドデータブックは危機にある生物のリストに加えてその生息状況や存続を脅かす要因、保護対策の解説もまとめている。これを定期的に更新し、深刻な現状を公表する必要性は増す一方だ。

 2006年に改訂された神奈川県のレッドデータブックは、17年度に2度目の改訂事業が開始された。相模湾と東京湾のある本県で今回、新たに海生生物が評価対象に加わる。都市化の影響は海域にも及ぶはずで、リスト改訂は生物を守るだけでなく、海岸・海洋環境の保全に役立つはずだ。

 多岐にわたる調査と情報蓄積は、研究機関だけで行えるものではない。われわれ学芸員は市民の理解と協力の下、協働・連携し、生物や環境の最新情報をレッドデータブックに集約する役割を果たしていく。生物多様性を保持する豊かな原風景を次世代へ伝承することも博物館の大切な使命である。
〈おわり〉


 県立生命の星・地球博物館(小田原市)では企画展「レッドデータの生物~知って守ろう神奈川の生き物たち」を25日まで開催。問い合わせは、電話0465(21)1515。

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