くすぶる若者熱演 大切な存在を再認識|カナロコ|神奈川新聞ニュース

くすぶる若者熱演 大切な存在を再認識

林遣都さん

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【KーPerson】林遣都


 とある地方都市で暮らす幼なじみの男性3人組。25歳で童貞を卒業しようと奮闘する姿を描いた映画「チェリーボーイズ」で、3人のリーダー的存在である国森信一を演じた=写真中央。

 「テーマがテーマなので、国森信一という一人の人間を、ゼロからつくるぐらいの気持ちで臨まないとできないなと思った」と監督と密に話し合いながら、役のイメージを固めた。

 「自分の解釈としては、学校のイベントでは絶対に前に出てこられないグループ。その中でだけ威張り散らしているのが国森。人としてだめなところがたくさんある人物としてつくりあげていった」

 国森は東京でのバンド活動がうまくいかず、父の病をきっかけに家業の酒店を手伝うため4年ぶりに帰郷。口ばかりで行動が伴わない人物だ。少し前かがみな姿勢や頻繁なまばたきなどで、国森の自信のなさを見事に表現した。

 「原作の漫画や脚本を読んだとき、くすぶっている若者のどんよりした空気感が、田舎だからこそより感じられた」という重要な作品の舞台。ロケ地に選ばれたのは秦野市だった。「漫画に出てきた景色そのものが目の前にあった」

 風情ある酒屋をはじめ、レトロな雰囲気のファミリーレストランや全国チェーンじゃないカラオケ店。「長い一本道を歩いたり、町内を自転車で移動したり。高級車に乗っている不良もいて。気持ちが通じて、作品にすごく入り込めた」と撮影を振り返る。

 3人がそろって歩く映像を見て、友人や家族の良さを感じたという。「弱ったときや自分のだめな部分をさらけ出せる身近な人は、大切にしなきゃいけない存在だと改めて思った」

 昨年、デビュー10周年を迎えた。「よかったことも、悪かったことも全部、今の自分があるために必要だったんだと思える。そんな今があることが、幸せなことだなと感じる」と素直に語る。

 常に役のことを考え、多くの人と出会う日々。「人生って素晴らしい、家族ってすてきな存在だな、という当たり前のことを感じられる時間がある。まだまだ演じ続けたいという思いのまっただ中」と俳優業に挑み続ける。

はやし・けんと 俳優。1990年滋賀県出身。2007年、主演映画「バッテリー」(滝田洋二郎監督)で俳優デビュー。同年日本アカデミー賞新人賞受賞。以後、映画、ドラマ、舞台など幅広く活躍。近作のドラマは16~18年NHK「精霊の守り人」シリーズ、17年同「べっぴんさん」、同「火花」、18年カンテレ・CX系「FINAL CUT」、映画は16~17年「HiGH&LOW」シリーズ(久保茂昭、中茎強監督)、17年「しゃぼん玉」(東伸児監督)、同「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(廣木隆一監督)、18年「野球部員、演劇の舞台に立つ!」(中山節夫監督、24日公開予定)など。主演映画「チェリーボーイズ」(西海謙一郎監督)はTOHOシネマズららぽーと横浜で17日から上映。


記者の一言
 多彩な役を演じているが、野球経験を生かして主演した映画「バッテリー」が印象深い。天才投手、原田巧を繊細に演じた。映画が面白かったので、あさのあつこの原作シリーズをイッキ読みした思い出がある。林さんの取材中、自然な笑みがこぼれたのは野球の話題だった。「野球大好きなんですよ」と横浜DeNAベイスターズの話に。「どこの球団が好きというのはないんですが、横浜はずっと応援しちゃう感じです」とベイファンにはうれしいひとこと。昔から試合をよく見ていたそうで、特に昨シーズンは「どんどん強くなっていった」と注目していたという。「三浦(大輔)さんはじめ、選手もファンも地元を愛している感じがいいですよね」と地元紙としてもうれしく、温かい言葉をもらった。

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