俺は野球に恋をした 東海大相模 大田泰示|カナロコ|神奈川新聞ニュース

俺は野球に恋をした 東海大相模 大田泰示

現役ヒーロー編 38/100

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2018/02/10 02:00 更新:2018/02/10 09:42
神奈川高校野球100回大会 巨漢が、ネクストバッターズサークルで泣いていた。2008年の北神奈川大会決勝の慶応戦、延長十三回裏だった。2死一塁。まだ試合は終わっていなかった。

 それでも東海大相模の大田泰示(27)は、泣いていた。

 「東海のキャプテンをやって、いろんな選手がいるから本当に大変だったし、強く言ったりとか、自分が先頭になって背中で引っ張らなければとか。そういう思いが全部、頭に巡ってきた」

 直前の十三回表。6-6の同点、2死二塁という場面で救援を命じられた。緊迫の場面で遊撃からマウンドに上がった。

 「夏の登板は初めてだったし、訳が分からないままだったけど、力でねじ伏せて流れを持ってこようと思って」。最速147キロを記録したが、正直すぎる直球勝負。ストライクゾーンに吸い込まれた投球は、三塁打と2ランで簡単に打ち砕かれた。重すぎる3点を失った。

 俺のせいで-。

 涙目のまま打席に向かった。無我夢中でたたき付けた打球は、左翼へ抜けた。すでにドラフト1位間違いなしと言われていた強打者は、ホームランを狙う気はなかった。

 「だって2ランでも1点足りない。俺が出て、角(晃多=元ロッテ)がホームラン打てば同点、さらに続けば逆転できるとか、考えていた」

 4時間20分の死闘の末、その願いは届かなかった。
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