知ってほしいレッドデータ(4)山地で進む森林消失|カナロコ|神奈川新聞ニュース

知ってほしいレッドデータ(4)山地で進む森林消失

県立生命の星・地球博物館学芸員 田中徳久

柵の外側(手前)と内側を比べると、ニホンジカがどれほどの植物を食べているかが分かる

 神奈川県には丹沢と箱根の二つの山地があり、里地・里山とは異なる生物たちが生息する。スギなどの植林もされたが、自然のまま残ったところも多い。この自然林で現在、ブナなど、森林の最上層を覆う樹木(林冠木(りんかんぼく)と呼ぶ)の立ち枯れが進み、植物相の変化はもとより哺乳類や鳥類、昆虫、菌類などの生息環境の激変が問題になっている。

 立ち枯れの主原因は光化学オキシダントとされるが、他にも森を脅かすものとして、増えすぎたニホンジカによる過度の採食が挙げられる。

 県では食害対策として丹沢地域でシカを閉め出す防鹿柵(ぼうろくさく)を設置し、植物保護に努めているが、守られた面積はごく一部にすぎない。箱根でも同様の被害が問題となり、駆除という手段も取られつつある。仙石原湿原を柵で覆う話もある。

 住む森がなくなれば、動物たちも生きてはいけない。継続的な調査と対策が必要だ。

 県立生命の星・地球博物館(小田原市)では企画展「レッドデータの生物~知って守ろう神奈川の生き物たち」を2月25日まで開催。問い合わせは電話0465(21)1515。

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