女性の“強さ”描く 【わたしは、幸福(フェリシテ)】|カナロコ|神奈川新聞ニュース

女性の“強さ”描く 【わたしは、幸福(フェリシテ)】

 コンゴの首都・キンシャサが舞台。「幸福(フェリシテ)」という女性シンガーが主人公だ。フェリシテ(ベロ・ツァンダ・ベヤ)は息子のサモ(ガエタン・クラウディア)と2人暮らし。夜のバーで歌いながら、生計を立てている。

 フェリシテが暮らす地域には、目立ったビルはなく、低い屋根の建物と屋台が立ち並び、その風景からも経済的な貧しさがうかがえる。フェリシテ一家も、冷蔵庫を修理する料金を渋るほどの暮らしぶりだ。

 ある日、サモが交通事故に遭ったと連絡が入る。大部屋で無造作に寝かされている血だらけのサモ。手術代と治療費を払わなければ、左足を切り落とすしかないと、医師から告げられる。

 仲間の助けを得ながらお金を集めるが、息子を救えるほどの十分な資金にはならない。元夫にも助けを求めるが、「強い女になると言って自分を捨てただろ」と罵声を浴びせられる。

 そんなフェリシテを支えたのは、バーの常連客で、彼女に思いを寄せる修理屋のタブー(パピ・ムパカ)だった。フェリシテのシンガーとしての自信や、母親としての心(しん)の強さを否定せずに、彼女に寄り添う。

 お金がなければ切り捨てられる社会で、フェリシテはどこに「幸福」を見いだすのか。生命力があふれるアフリカの音楽も聴きどころだ。

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