港WORKER:後世に伝える「誇り」 最深岸壁の難工事に奔走|カナロコ|神奈川新聞ニュース

港WORKER:後世に伝える「誇り」 最深岸壁の難工事に奔走

コンテナターミナル工事現場監督 堀内省三さん

鋼板セルの据え付け作業を指揮する堀内さん=横浜港・南本牧ふ頭MC-4

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 横浜港・南本牧ふ頭(横浜市中区)では国内最大となる水深18メートル超のコンテナターミナル「MC-4」の岸壁の築造工事が行われている。世界でも例を見ない厳しい条件での難工事が続く中、国から請け負う共同企業体の現場監督、堀内省三さん(50)は安全管理や施工、品質の管理に細心の配慮を払いつつ、来年の完成に向けて奔走している。

 MC-4は京浜港などのコンテナ物流機能を強化する国の施策「国際コンテナ戦略港湾」の一環で国土交通省が整備を進めており、2019年内の供用開始を目指している。

 隣り合うMC-3(400メートル)と合わせて延長900メートルの耐震強化岸壁となり、世界最大のコンテナ船に対応できる国内最大のガントリークレーンをMC-3と同様に採用。国内で唯一、世界最大級のコンテナ船の着岸が可能になる。

 水深は30メートル以上。しかも、地盤は軟弱層が複雑に分布しており起伏に富んでいる。世界で初めてというこれほど深い海域での岸壁工事に挑むのが「東洋・あおみ・不動テトラ特定建設工事共同企業体」だ。堀内さんは約30人の職人らを率いて昨年3月から岸壁工事を始めた。

 海洋土木を得意とする東洋建設(東京都江東区)に1991年に入社。監理技術者として技術的に高度で複雑な現場を担ってきた。東京港などでの岸壁工事のほか、東京湾内の主な港で働いた経験もある。

 南本牧ふ頭と本牧ふ頭を結ぶ「南本牧はま道路」の高架橋の下部工事でも現場監督として手腕を発揮し、国交省関東地方整備局から優秀工事技術者として局長表彰を受けた。

 MC-4の岸壁工事は、地盤改良を済ませた海底に鋼板セルと呼ばれる直径24・5メートル、高さ32メートルの円筒形の巨大な筒を据え付けるもの。揚土船で土砂を筒の中にびっしりと投入するとともに、セル同士をアークと呼ばれる継ぎ手で連結することで頑丈な岸壁本体とし、地震への抵抗力を大きくする。

 取材で訪れた日は、鋼板セルを組み立てた千葉・富津から大きな起重機船で運んできたばかり。重さ約400トンのセルをつり上げた起重機船はタグボートに連れられて東京湾を横断し、ゆっくりと姿を現した。

 横浜港の主力ターミナルに当たる南本牧ふ頭は頻繁にコンテナ船が入出港する。航路をふさぐことがないように、堀内さんが調整を重ねた結果、コンテナ船の入港直後に据え付け作業を始めることにした。警戒船が周囲を固めるなか、起重機船が位置を定めて停船し、堀内さんの無線の合図で作業が始まった。

 鋼板セルの設置後はガントリークレーンの基礎工事などが並行して行われており、全て順調だ。自然が相手の土木工事は天候に左右されやすいが「余裕を持って計画を組むのも仕事のうち」と堀内さん。「自分の手掛けたものが形となって後世に残り、社会基盤として役に立つことが誇り」と胸を張った。

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