知ってほしいレッドデータ(3)水田で進行する危機|カナロコ|神奈川新聞ニュース

知ってほしいレッドデータ(3)水田で進行する危機

県立生命の星・地球博物館学芸員 鈴木聡

水田で餌を捕るニホンイタチ(2017年6月27日、平塚市岡崎)。里地・里山でよく見られた哺乳類は餌となる水生生物の減少による影響を受けており、県レッドリストカテゴリーで準絶滅危惧のニホンイタチも近い将来、絶滅危惧種となる可能性がある

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 昔から人口の多い平野部では、人の生活と関わりの深い里地・里山の生態系が形成されることで多様な生物が生息してきた。童謡や民話に登場するメダカやカエル類、アカトンボ類などはその代表といえよう。

 しかし現在はそれら水生生物の多くが絶滅の危機にある。河川改修や宅地開発で生息場所そのものがなくなったり、農薬の影響や外来種との競争に負けたりに加え、農地整備が追い打ちをかけている。昔の水田と異なり、効率化のため水路を整備し必要なときだけ水を張りそれ以外は乾田化する現在の農法は、彼らには致命的だ。田んぼからカエルが消えた主原因はこれである。

 県東部の平野部では、谷戸など限られた場所にしか里地・里山は残っていない。残ったものも孤立し断片化され、生物の存続が危ぶまれる。三浦半島や県西部でも開発が進み、絶滅危惧種の数も増え続けている。

 県立生命の星・地球博物館(小田原市)では企画展「レッドデータの生物~知って守ろう神奈川の生き物たち」を2月25日まで開催。問い合わせは電話0465(21)1515。

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