〈時代の正体〉北綱島支援校分校案きょう提案 横浜市教委臨時会|カナロコ|神奈川新聞ニュース

〈時代の正体〉北綱島支援校分校案きょう提案 横浜市教委臨時会

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  • 公開:2018/01/25 22:15 更新:2018/01/25 22:15
 
分校案で揺れる市立北綱島特別支援学校=横浜市港北区

分校案で揺れる市立北綱島特別支援学校=横浜市港北区

【時代の正体取材班=成田 洋樹】横浜市立北綱島特別支援学校(港北区)を2019年度から市立上菅田特別支援学校(保土ケ谷区)の分校に移行する案を巡り、市教育委員会は26日の臨時会で条例改正案の提案に踏み切る方針を固めた。保護者らの理解が得られていない状況だが、31日開会の市会定例会に提案する方向で検討を進めている。

 市教委幹部が25日、同校でPTA会長らに伝えた。閉校計画が明らかになった2年ほど前から現行のままでの存続を求めてきた保護者側は「保護者の意見を無視して分校案成立を推し進めようとしている」と反発している。

 分校案は市教委が15日に保護者側に提案。計3回の説明会で、▽教職員数などはこれまでの水準を維持する▽分校の責任者は上菅田の校長だが、校長級の「准校長」を独自に配置する-などとして理解を求めた。しかし保護者からは「ほとんど変わらない形で残すなら分校にする必要があるのか」「保護者の理解が得られないのであれば、市会提案は取りやめるべきだ」との批判が相次いでいた。

 市立特別支援学校の再編整備計画は、市教委が15年9月に公表した。五つある肢体不自由支援学校を増やさない前提で、19年度に左近山特別支援学校(仮称)=旭区=を新設。手狭な北綱島は18年度末で閉校とし、別の支援学校に転校させるとしていた。

 保護者側は「市北東部が支援学校の空白地域になる」と反発。市教委はその後、在校生が高等部を卒業する26年度まで上菅田の分教室として存続させるとし、さらにその期限の撤廃に転じた。だが分教室は市条例に定めがなく不安定なため反対意見が強く、市教委は学校の位置付け変更に議決を要する分校案を新たに示すなど、曲折をたどっている。

【解説】拙速で強引、当事者軽視


 市立北綱島特別支援学校の分校案を巡って、市教委が保護者の理解を得ないまま臨時会への提案を強行する見通しになった。分校案は15日に保護者に説明されたばかりで、計3回の説明会でも賛同する声はほとんど上がらなかった。拙速さ、強引さは際立っており、当事者軽視のそしりは免れない。

 市教委は各説明会の冒頭で、これまで保護者の理解が得られる説明が不足していたとして陳謝し、学校の将来を巡る保護者の不安解消などを名目に今年度中に一定の方向性を出したいとして分校案への理解を求めた。しかし、保護者側は「拙速に決めようとすることでむしろ新たな不安を生み出している」と受け止めた。

 閉校撤回を求めていまの学校のままでの存続を訴えてきた保護者の間では市教委への不信感が根強い。曲折をたどった2年余りの協議の中で「当初の閉校案が誤りであったことを認めない上に、説得力のある説明をこれまで聞いたことがほとんどない」と感じているからだ。市教委がまさに陳謝したことだが、ある保護者は「分校案を巡って同じ過ちを繰り返そうとしている」として批判した。

 市教委はまずは分校案の妥当性を明確に説明すべきだ。当事者の一定の理解を得てから教育委員会会議に諮り、その上で市会に提案する。そうした丁寧な手続きが求められている。

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