倫理的消費で街に活気を 横浜でエシカル拠点創設の勉強会|カナロコ|神奈川新聞ニュース

倫理的消費で街に活気を 横浜でエシカル拠点創設の勉強会

勉強会は、こだわりのある食品を試食しながらの交流会で締めくくった=横浜市中区

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 横浜にエシカル消費の拠点を作ろう-。そんな目的を持つ「横浜エシカル・キオスク設立勉強会」が、横浜市中区で開催された。7月から12月までの全5回の講座では、こだわりの食材販売や福祉関係者ら広い分野から講師を招き、参加者とともに考えを深めた。将来は関内にその拠点を作ることで、地域活性化につなげることも視野に入れている。

 勉強会を企画したのは、mass×mass(マスマス)関内フューチャーセンター(同区)。マスマスはシェアオフィス運営や起業家支援などのほか、地域活性化のための事業を行っている。「エシカル」は倫理的という意味。「エシカル消費」とは地球環境保全や、社会貢献につながる商品やサービスを積極的に購入することを指す。

 勉強会では、エシカル商品に「こだわりや物語のあるもの、思いのあるもの」という意味も込めている。横浜には、環境に配慮して育てられた農産物や、独自の製品を作っている障害者作業所がある。だが、魅力ある商品なのに、その存在があまり知られていなかったり、販路がなかったりという問題がある。マスマスの運営会社社長の治田友香さんは、「海外には、役所にフェアトレードや福祉系の品物を置いている例もある。横浜にもそういう場があってもいい。買いたい人、担い手がどれぐらいいるのかも知りたかった」と目的を説明する。

 そのため、講座の内容は多岐にわたった。南米やアジアの鉱山労働者らと協力し、公正な取引をしたジュエリーを販売する企業、日本全国からこだわりの食材を取り寄せたスーパーを運営し、さらに、地域の人を巻き込んで商店街に人を呼ぶ活動をする店主。最終回だった8日の講座では、千葉県木更津市で障害者が働くカフェや雑貨店を、福祉色を出さずに運営している筒井啓介さんが講演した。講演後は参加者による交流会を開催。3回出席した港南区の女性(48)は「エシカルのことはここで初めて学んだ。毎回異なる人の話を聞いて、刺激になった」。美術系の創作活動をしており、「地元固有の植物などを描いた商品を販売するのも、一つのエシカル。将来、そういうこともできるというヒントをもらった」と話す。

 横浜市内でも、少しずつエシカル消費の動きが広まっている。勉強会では、捨てられる布を再利用し、子育て中の女性らがバッグや布製の小物を作って販売するブランド「アプリケ」(青葉区)や、粉と塩だけでパンを作る「アデリースタジオ」(金沢区)などの事業を紹介。参加者の関心を集めた。

 一方で、インフラ作りや社会的な応援をどう得ていくかなど、課題も残る。勉強会を開催したことで、すぐに商品を展開する場ができるわけではない。そのため、この春以降にマスマスの中で試験的に販売の場を設けることを検討している。勉強会も続けていく予定だ。「『いい消費』をしたい、応援したいと考える人は多い。ちょっと気の利いた、一つ買って帰りたいと思える商品が関内に来たら買える、ということにできたら面白い。『小商い』は街を活性化させることにもつながる」と治田さんは期待を込める。

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