自然と経験、次世代へ 第30回神奈川地域社会事業賞(下)|カナロコ|神奈川新聞ニュース

自然と経験、次世代へ 第30回神奈川地域社会事業賞(下)

葉山メダカの会 葉山町

花の木公園池を清掃する会員たち=葉山町堀内

 日光が水面にきらきらと反射する快晴の朝。胴付き長靴を履いた会員たちが、葉山町役場に隣接する花の木公園池に入り、熊手をせっせと動かす。

 「アオミドロや浮草があると、メダカが泳げなくなっちゃうんだ」。佐々木愼一会長らは初冬の寒さをものともせず、1時間ほど作業を続けた。

 池の脇には「葉山メダカ」と掲げた看板。「ここで繁殖の実験をしています」ともある。

 メダカは環境省の絶滅危惧種に選定されている。16年前、湘南国際村内の池で野生状態で群生しているメダカが発見されたのを機に会が発足し、町から許可を受けて花の木公園池で保護する活動を始めた。この地域に生息するメダカとして会が「葉山メダカ」と名付けた。

 いまでは会員が自宅で飼育するほか、町内5カ所の池で繁殖に取り組んでいる。1~2週間に1度、会員が各池を訪れて水の濁り具合や、天敵の外来種が増えていないかをチェック。当初は200匹ほどだったが、約5千匹にまで増えたという。「卵が産まれて稚魚がだんだん大きくなるとうれしい」と佐々木会長は目を細める。

 次世代へ継承する取り組みにも力を入れる。町内4小学校の5年生を対象にメダカの生態を観察する出前授業を実施。体験学習として中学生を受け入れ、即席のビオトープをつくって池で捕獲したメダカを放した。

 子どもたちには、飼えなくなったザリガニなどを池に捨てないように伝える。「子どもだけじゃなく親世代にも、小さな命の大切さを知ってもらいたい」。佐々木会長は田んぼの側溝やため池に群れが泳いでいた時代を振り返った。「メダカを通して自然を守っていきたい」

 ◆葉山メダカの会 2002年2月設立。会員は葉山町民を中心に46人。町内の池やビオトープで飼育するほか、池周辺の環境保全、休耕田の復元、親子向けのイベントなどにも取り組む。

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