港WORKER:安全願う「F」「I」「O」|カナロコ|神奈川新聞ニュース

港WORKER:安全願う「F」「I」「O」

横浜港内交通管制・青木桃子さん

国際VHFで航行中の船舶と交信する青木さん=横浜市中区

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 東京湾における海上交通管制の一元化を来年1月に控え、横浜港・川崎港・東京港・千葉港の四つの港内交通管制室が統合し、横浜市中区の横浜第2合同庁舎で運用を始めた。横浜港内交通管制室の青木桃子さん(26)は「新たな運用室で連携を図りながら、安全航行に重要な役割を担いたい」と気を引き締めている。

 横浜ベイブリッジを挟み全長約4500メートルある横浜航路はコンテナ船やタンカー、自動車船、客船など500トン以上の船舶が1日平均60隻が航行し、小型の船も頻繁に往来している。

 青木さんが働く管制室は12人が3班に分かれて24時間態勢で港内の航行管制を行っている。運用卓にはレーダー画面も備え、集中して船の動きを監視するために1時間で交代することもある。

 主な業務の一つは、大さん橋近くにある内港信号所と本牧ふ頭の横浜港シンボルタワー、大黒ふ頭に設けられている信号所の切り替え。電光文字式の信号板は、普段は自由航行を示す「F」だが、入航する際は「I」、出航する際は「O」をそれぞれ点滅させるといった決まりがある。

 「入港スケジュールは事前に計画されていますが、船が遅れることも。その日の状況を見ながら信号を切り替えています」とマウスを手に説明する。

 国際VHFなどの無線で海上交通の情報を流すことも大事な業務。「外国船に使う英語は慣れてきましたが、やっぱり緊張してしまいます」。最初のうちは、先輩が言った英語の内容をそのまま伝えたこともあった、と笑顔で明かす。

 東京都内出身で、ピアノ演奏と演劇に夢中になった。人を助ける仕事がしたいと自衛隊、消防、警察、そして海上保安庁の採用試験を受験。「海保の2次試験で訪れた横浜で、初めて見た白と青の巡視船がすごくきれいだった」。海や船を知らないまま、海上保安官になる決意をした。

 京都府舞鶴市の海上保安学校を卒業し、現場に出て2年目を迎えた。初任地は横須賀市の東京湾海上交通センター。「海の仕事と思ったら、観音崎の山を登っていくのでびっくりしました。最初は信号の意味すら知らなくて」。それでも、「持ち前の明るさとガッツ」(同センターの三宅真二所長)で高い管制技能を身に付け、運用管制官の資格を取得。広い視野で多くの船の動きを見てきた。

 今年4月から勤務する横浜港内交通管制室は、本牧ふ頭の横浜港シンボルタワーにあった。まったく別の場所にあった四つの港内交通管制室が横浜に統合されたことで、管制エリアをまたいで航行する船舶への迅速な情報提供につながる事例も表れている。

 川崎港の管制室が管轄する鶴見航路に横浜航路から向かう船から問い合わせを受けた青木さん。「隣にいた川崎港の担当者につなぐことでスムーズな連携を図ることができた」

 来年1月からは、青木さんらが働く管制室が、新たな東京湾海上交通センターとなる。いち早く始まった交通管制に続き、一体的に業務を担うための準備作業が急ピッチで進む。青木さんは新たな環境で先輩や仲間と働くことを楽しみにしている。

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