教室に行こう 県立白山高校(横浜市緑区)|カナロコ|神奈川新聞ニュース

教室に行こう 県立白山高校(横浜市緑区)

創造と協働の「穴窯」

「入れまーす」の合図で穴窯にまきをくべる

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焼きあがりに歓声。成し遂げる喜び
 「開けまーす」と掛け声が響く。窯の正面をふさぐ鉄板が開くと、焚き口から真っ赤な炎が生き物のように燃え上がった。「司令塔」と呼ばれる生徒は炎の様子を見ながら、指示を出す。残暑の厳しい9月、穴窯の温度は1100度近くに達していた。

 「入れまーす」と声が上がり、1本、さらに1本と先生から教わった方法で、まきがくべられる。適切な位置に入るように慎重に、かつ素早く。まきが炎にのみ込まれ、鉄板が閉ざされると、緊張した表情が一瞬だけ緩んだ。この作業をグループごとに1時間のローテーションで、2泊3日仮眠を取りながら、夜通し行う。夜を徹しての作業はとても過酷だ。

 白山高校は、2017年度から専門学科「美術科」が設置され、これまでの「美術コース」の内容が、より深く学べるようになった。焼き物の焼成を専門的に学ぶため、校庭にある穴窯を使った授業が行われている。

 穴窯をたくのは春と秋の年2回である。生徒は日々の学習で作品を作り上げ、焼成後の状態をイメージしながら目標とする表現に向かって試行錯誤する。

 「火止め」をしても、窯の中は2週間程度、高温な状態が続く。窯の温度が人肌程度になり、いよいよ「窯出し」である。穴窯正面の口をふさいでいるれんがを外し、懐中電灯で暗い窯内を照らすと「わーっ」と歓声が上がった。「思っていた色とは違う」「いい感じの雰囲気がでている」。ビードロ状の美しい釉(うわぐすり)を携えた大壺や、茶わん、湯飲みなど総数750点余りが出来上がっている。

 美術の授業だけではない。部活動や地域陶芸サークルの作品も穴窯焼成で焼きあがる。穴窯は、さまざまな立場の人が協働して成し遂げる喜びも、生徒に実感させてくれる。「回数を重ねていくごとに、より良いものが出来上がってくる」「次回はどんな作品を創ろうか」

 出来上がった作品を見る生徒の目は輝きながら、すでに次作へと向かっている。窯出しは、次の焼成に向けたスタートラインとなった。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート

神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/

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