大地の記憶 神奈川の地層をはぐ(8)世界十二大土壌の農地|カナロコ|神奈川新聞ニュース

大地の記憶 神奈川の地層をはぐ(8)世界十二大土壌の農地

果樹園の地層(小田原市沼代)には白っぽい軽石層と盛り土の間に鮮明な境界が見られる。地震の影響で生じたと思われる亀裂に盛り土が落ち込んでいる様子も

 人と大地の最も基本的な関わりは、土を耕して作物を作るという行為だろう。

 今回展示している平塚市の水田土壌には、1707年富士宝永火口から噴出したスコリアの堆積が見られ、小田原市の果樹園土壌では、山地の開墾によって平坦な土地を造った様子が軽石層と盛り土の間に鮮明な境界として記録されている。この2カ所の土壌は、黒ボク土と呼ばれ、国際的な土壌分類では世界十二大土壌の一つに数えられるユニークな性質を持つ。

 それは、火山灰を材料とする比較的若く(数千~数万年)、有機物を多く含み、隙間が多くて軽い上、植物の三大栄養素であるリンの欠乏が起きやすいという特徴だ。富士・箱根火山群を西方に抱える神奈川県は火砕流や火山灰の堆積によって黒ボク土が広く分布する。玄武岩質の火山灰土壌で、これほど人の生活に密着し発達した例は世界にほかにない。それだけにさらなる探求を期待したい。
国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構」農業環境変動研究センター土壌資源評価ユニット  大倉 利明) 
=おわり

 特別展「地球を『はぎ取る』」が11月5日まで小田原市入生田の県立生命の星・地球博物館で開かれている。貴重な地層のはぎ取り標本など実物約100点が展示されている。原則月曜休館。問い合わせは、同館電話0465(21)1515。

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