来日直後の子の「言葉」応援|カナロコ|神奈川新聞ニュース

来日直後の子の「言葉」応援

初の「入級式」には小中学生52人が出席し、出川校長(中央)から学校の説明を受けた

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 外国につながる児童生徒の急増を受け、横浜市は9月、来日したばかりの児童生徒を対象にした日本語支援拠点施設「ひまわり」を同市中区に開設した。児童生徒らに1カ月かけて日本語やルールを教える「プレクラス」などを展開し、日本の学校生活へのスムーズな移行を支援する。

 「登校したら筆箱や教科書は机の中に入れ、ランドセルは後ろの棚に片付けましょう」。担当教諭が身ぶり手ぶりや絵カードを添えながら、ゆっくりとした発音で指示する。子どもたちは来日したばかりで日本語がほとんど分からないため、外国語が堪能な日本語講師を配置し、日本語の集中学習も行う。

 第1期は小中学生52人が入級、うち9割以上が中国から来日した。プレクラスは小学校低学年、高学年、中学生に分かれて行い、児童生徒は地元の小中学校に籍を置きながら、来日直後の1カ月間に週3回通う。教室は後部にロッカーが並ぶ日本の学校と同じ造りで、横浜市立学校では行事のたびに必ず流れる「横浜市歌」も教える徹底ぶりだ。



 小2男児(8)は中国・福建省で産まれてからずっと祖父母に育てられてきた。父は横浜中華街で調理師として働き、母は横浜と中国を行き来した。中国では祖父母に乳幼児を預けて働くことは一般的で、男児の母は「中国語も覚えさせたかったので、大きくなるまで祖父母に預けた」という。9月から男児を横浜に呼び寄せ、プレクラスに入級。「中国語も日本語も話せれば就職で有利」と将来を見据えた選択でもあるようだ。

 小4女児(9)の両親は市内の日本語学校で知り合い、結婚。中国・福建省で暮らしていたが「留学時代に住んでいた横浜で家族3人で生活したい」と来日した。父は内装業の職を得た。「私は娘の教育最優先」と話す母は「日本は住みやすい。ずっと日本で暮らしたい」

 休み時間の教室には中国語のおしゃべりが飛び交う。小6女児(12)は「中国の学校は宿題が大量で毎晩夜中までかかった。日本の学校は授業も楽しみながらやってくれるし、中国より楽」。小5男児(11)は「中国では一度帰宅して昼食をとった。弁当よりおいしいから家で食べたい」と文化の違いに戸惑いも見せる子もいる。



 市教育委員会によると、市内で日本語指導が必要な児童生徒数は5月1日現在で2080人。昨年同期比で25%増、この5年で約75%(約900人)も増えた。外国は9月始まりが主流で、日本の年度途中での転入も多く、受け入れ校の多くが苦慮していたことから、市立富士見中学校跡地に総工費約5億6千万円で日本語支援拠点を新設した。

 出川進校長は「子どもたちに日本の学校は楽しいと前向きな気持ちになってもらえるようサポートしたい」と話している。

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