異色の経歴、音に生かす 第5回ちぐさ賞にピアニストの千葉さん|カナロコ|神奈川新聞ニュース

異色の経歴、音に生かす 第5回ちぐさ賞にピアニストの千葉さん

第5回ちぐさ賞を受賞した千葉さんのピアノ演奏=横浜市中区

 現存する日本最古のジャズ喫茶「ちぐさ」(横浜市中区)が新人発掘のために制定した「第5回ちぐさ賞」で、ピアニストの千葉岳洋さん(26)の受賞が決まった。東大卒で元相撲部主将という異色の経歴の持ち主だ。

 千葉さんは仙台市出身。8歳で電子オルガンを習い始め、高校生までは吹奏楽に熱中した。クラシック音楽のプロを目指していたが、大学受験の際に諦め、東大に入学。ビッグバンドに入った。「得意だった即興演奏を生かせる場として本格的に取り組んだジャズで、プロの音楽家への道が開けた。感慨深い」と受賞を喜ぶ。

 学生時代は相撲部にも所属し主将を務めた。「稽古場で過ごした密度の濃い時間や、土俵上での緊張感などは、今の音楽活動にも生きている」と実感する。

 4回目のコンペ参加で栄冠を勝ち取った。審査委員長のジャズ評論家・瀬川昌久さんは「挑戦を繰り返す粘り強さと向上心に敬意を表する。これからも感動の演奏を生み出してほしい」と期待を込めた。

 千葉さんは「指摘された課題や日々の演奏活動で学んだことを消化して後悔のないステージに臨んだ」と振り返り、副賞として来春に発売されるアルバムに思いを至らせる。「最初の一音で聴き手を音楽の世界に引き込めるようなピアニストになりたい」と話した。

 ちぐさはマスターの故・吉田衛さんが1933年に野毛に開店。没後、「日本のジャズを育てたい」という遺志を有志が引き継ぎ、「ちぐさレコード」を設立。新人発掘のためのちぐさ賞を制定した。

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