過熱する寄付集めにルールを|カナロコ|神奈川新聞ニュース

過熱する寄付集めにルールを

県知事が方針

神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサート。存続を懸けて4億6千万円超の寄付が集まった=県民ホール

 過熱する寄付金集めに、待った-。県が多様な事業で導入している個人や企業からの「寄付」を巡り、黒岩祐治知事は14日、庁内の統一ルール策定に乗り出す考えを明らかにした。目標額の設定方法は、未達成時の事業の在り方は、PRの費用対効果は-。多額の財源確保を試みる中で浮かび上がった課題を教訓に、「県民の善意」を適正に集める考え方をまとめる。

「県民の善意」適正に


 欧米に倣った寄付文化の醸成に前向きな知事は、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の存続を懸けて4億6千万円超の寄付を集めた“成功体験”を踏まえ、さまざまな事業で寄付金集めを展開。県立校の環境整備に充てる「まなびや基金」はPR動画などで盛り上げて8月に目標の10億円を突破、県内の沖縄戦犠牲者を悼む「神奈川の塔」再整備事業も約1年間で目標(3千万円)を達成した。

 一方、職員が「血がにじむような努力」で寄付金集めに奔走しても目標額に届かないケースも。法定必置施設でありながら建設費11億円の「全額寄付」を打ち出した動物保護センターは、約2年間で1億8千万円ほど。相模原殺傷事件を受けた共生イベントの協賛金は、当初目標の6千万円を半額に下方修正した。

 こうした現状に、県議からは「寄付集めが目的になっている」「PRに必要以上の経費を投じている」といった苦言が続出。最も堅調なまなびや基金でも近年は年間1億円に届かない状況を踏まえ、「想定そのものが間違っている。元々無理な金額で、県民に甘えるのはよくない」と、不透明な目標設定を疑問視する声も上がっていた。

 14日の県議会本会議で守屋輝彦氏(自民党)の代表質問に答えた黒岩知事は、「さまざまな課題もあるため、寄付金を予算計上する場合の取り扱いを整理する」と説明。▽県の責任で実施する事業は目標に届かなくても総事業費は増減しない▽普及啓発事業の規模拡大などは県費に上乗せする寄付額に応じて増減させる▽募集時は費用対効果を見極めて必要以上に経費をかけない-といった基準を定める方針を示した。近く庁内に周知するという。

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