平和への思いを17音に  高津全国俳句大会10年 作品募集|カナロコ|神奈川新聞ニュース

平和への思いを17音に  高津全国俳句大会10年 作品募集

10回目の全国俳句大会を控え平和をテーマにした作品の投句を呼び掛ける田村富彦さん(右)とゆき子さん=川崎市高津市民館

 ふるさとへの思いを俳句で表現しようと川崎市高津区で行われている高津全国俳句大会が11月、10回目の節目を迎える。NPO法人高津区文化協会(同区溝口)が2008年から、「俳句でまちおこし」を掲げて毎年開催してきた。憲法施行70年に当たる今年は平和を伝える作品の投句を期待している。

 同協会によると、現在の同区周辺では戦前、大山街道の商家で俳句運動が盛んになり、戦後も復員軍人が俳句教室を開くなど長い歴史がある。溝口の宗隆寺には松尾芭蕉の句碑があるが、あまり知られておらず、こうした文化の集積をアピールするのが大会のきっかけになったという。

 これまで9回の大会には、北海道から九州まで全国の延べ約2500人が9千句近くの作品を寄せた。いまは県外からの投句が約4割。大会では選者で俳句誌編集長の石寒太さんが選んだ大賞をはじめ入賞、特選、秀作を発表し、講評や表彰式も行われる。

 初回から運営に携わる同協会事務局長の田村富彦さん(74)によると、現在は松山市をはじめ各地で地域振興を目指した俳句大会がある。「17音が世界を変えるという旗印の大会の中でも高津大会は有数のものに育った」という。

 大会の裏方を務める妻で俳人の田村ゆき子さん(71)は「時代の変化の反映なのか、この10年で平和を心配し、戦争してはならない、命を大切にしたいという思いの句が増えた。俳句は平和の中で親しむ文芸だから」と話す。

 昨年は「冬の日の光の子らに戦(いくさ)させぬ」、「空爆の記憶の褪(あ)せず秋夕焼」といった平和をテーマにした作品も入選した。

 過去の大会では、選者の石さんが、ゲストの俳人、芥川賞や直木賞の受賞作家、落語家、映画監督らと対談し、俳句を詠む苦労などを語った。11月26日に高津市民館で開かれる第10回大会では、女流俳人の第一人者、宇多喜代子さんが、石さんとトーク「戦争を越えて~日本人のくらしと文化」を行う。

 投句の締め切りは9月20日(当日消印有効)。投句料は2句一組で千円。問い合わせは、同協会事務局電話090(9314)1430。

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