【産地直売】松屋梨園/川崎市多摩区 代々受け継ぐ“自慢の味覚”|カナロコ|神奈川新聞ニュース

【産地直売】松屋梨園/川崎市多摩区 代々受け継ぐ“自慢の味覚”

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畑で作業する5代目の香山さん

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【2017年8月31日紙面掲載】
 多摩川流域で古くから栽培され、川崎市の特産品として知られる「多摩川梨」。松屋梨園は150年以上前から生産を手掛け、現在は5代目の香山恒夫さん(82)と6代目の成夫さん(53)ら家族総出で、代々受け継ぐ“川崎自慢の味覚”を大切に守り続けている。

 府中街道沿いにある直売所では、毎年8月上旬から10月末までの3カ月にわたり、20種類の品種を順々に販売している。今の時期は、甘みと酸味のバランスがとれた「豊水(ほうすい)」、香り豊かで上品な甘みが特徴の「八達(はったつ)」、甘みが強い「南水(なんすい)」、みずみずしい「あきづき」が並ぶ。この日、買い物に訪れた60代の女性客は「ここのナシは、味が濃くて格別」と笑顔を見せていた。

 おいしさの理由は、砕いた枝や葉を3カ月間発酵させて作る自家製の堆肥にあるという。「堆肥に含まれるアミノ酸はうま味のもとになる成分。このアミノ酸をたっぷり吸わせるから、味わい深い実が成る」と恒夫さんは胸を張る。

 ナシは直売所で1個から販売。地方発送も受け付けており、成夫さんは「箱に詰める個数など、できる限り要望に応じるので、気軽に連絡してほしい」と呼び掛ける。

 川崎市は大正時代、関東におけるナシの一大産地だった。やがて、工業都市化や第2次世界大戦で多くのナシ畑は姿を消した。同園も、たくさんのナシの木を失ったが、戦後、かろうじて残った木を希望の光に生産を再開し、今に至る。

 恒夫さんは「かつては府中街道沿いに多摩川梨の直売所が軒を連ね、活気があった。その頃に比べると、今はずいぶん少なくなってしまった。しっかりと後世に受け継いでいかなければいけない」と言葉に力を込めた。

☆川崎市多摩区生田3の4の10。JR中野島駅徒歩12分。午前11時~午後4時(売り切れ次第終了)。10月末まで、無休。電話044(922)0249。

※魚介類や野菜など生鮮食料品の価格・種類は、水揚げ量や収穫量、天候などの影響で変動します。価格などは変わっている場合があります。

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