障害者 等身大の恋物語 ポップに明るく「普通」描く|カナロコ|神奈川新聞ニュース

障害者 等身大の恋物語 ポップに明るく「普通」描く

 川崎の男性モデルに映画、29日公開

 障害者の性に関する支援団体を運営し、自身も脳性まひで電動車いすを使用する熊篠慶彦さん(47)=川崎市宮前区=の実体験を基にした映画「パーフェクト・レボリューション」が29日、全国で公開される。メガホンを取った松本准平監督(32)は、障害や福祉といった社会問題に切り込むのではなく、ポップで明るいエンターテインメント作品にこだわった。その意図とは、込めた願いとは。松本監督と熊篠さんを訪ねた。

 映画は、脳性まひで四肢が不自由な男性「クマ」と精神疾患がある風俗嬢「ミツ」が出会う場面から始まり、2人の恋愛模様や生きざまを中心に、さまざまな困難を乗り越えていく姿を描いた。熊篠さんが4年前まで交際していた女性との恋愛経験をベースに、細かい設定やエピソードなどに脚色を加えたフィクションに仕上がっている。

 クマ役のリリー・フランキーさん、ミツ役の清野菜名さんをはじめ、小池栄子さんや岡山天音さん、余貴美子さんら有名キャストが次々と登場。真っ赤な電動車いすに乗ってクマが書店のアダルトコーナーを物色する。カラフルな服に身を包んだミツがピンク色に染めた髪をなびかせながら跳ねる。ロック音楽が流れ、時にコミカルな場面も挟みながら勢いよく進む物語だ。関係者向け試写会では、客席から自然と笑いが起きる場面もあった。

 重度障害者ゆえにクマが哀れみの施しを受ける場面や、風俗嬢のミツが職業差別を受ける場面などもある。重点が置かれたのはしかし、あくまでも2人のラブストーリーだ。

新鮮

 
 松本監督は「これまでの人生、車いすに乗った熊篠さんと出会うまで障害がある人と関わったことがなかった」という。小学生時代、同じ学校の特別支援学級の子を遠目で見掛けることはあったが、それくらい。福祉に対する問題意識も特に抱いてこなかった。

 大学進学を機に長崎県から上京しても、街を行く障害者は自分たちとは違う、別の世界の特別な存在だと思っていた。障害者とはどのような人たちなのか。それすら分からなかった。

 「映画のアイデアになれば」と共通の知人の紹介で熊篠さんと初めて顔を合わせたときは「普通に頭が回って言葉を交わせる、会話ができる」ことにすら驚いたほど。それでも喫茶店で戸惑いながらコーヒーを飲み、語り合ううちにすぐに気付いた。「あれっ、障害者って普通じゃん」
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