教室に行こう 県立希望ケ丘高校定時制(横浜市旭区)|カナロコ|神奈川新聞ニュース

教室に行こう 県立希望ケ丘高校定時制(横浜市旭区)

古典から未来を創造

「筒井筒」を何度も読み、考えたからこそ意見がどんどん出てくる

「大人も子どもも、好きなものって何かな」
「チョコレートなら、みんな好きだよ」

 これは、希望ケ丘高校定時制の授業「国語総合」の一場面だ。平安時代中期に書かれた歌物語「伊勢物語」の第二十三段「筒井筒」を読んで、そこから発想された商品のイメージを文章にした。それを生徒たちがお互いに評価し合う言語活動だ。

 「筒井筒」は、幼なじみの男女が思いを寄せ合って結婚し、さまざまな波乱を乗り越えながら夫婦として暮らしていく物語。一見、現代の商品とはまるで結びつかない文学だが、そこから豊かなアイデアが浮かんでくる。

 生徒たちは「筒井筒」を何度も読み返し、解釈し、自分の考えを書きとめていった。

 生徒が思いついた商品はチョコレートやおにぎり、こたつ、日本人形、化粧水、お守り…と実に多様だ。さらに商品名と商品イメージの解説を考える。

 次は、グループごとに話し合い、代表的な商品を選んだ。

「夫の無事を祈りながら待つ日本人形はどう」
「家に帰って、日本人形が待っていたら怖いかも」
「でも、怒っていないけど、妻の悲しい様子が伝わりそうね」
「何のためにその人形がいるの」

 「筒井筒」を何度も読んで、考え抜いたからこそ意見がどんどん出てくる。こうして決まった商品イメージの解説を深めていった。

「いつまでも美しさを保つ化粧水はどうかな」
「それって、ウソにならない」
「化粧品の良さの宣伝だからね」

 最後に全体で発表を行った。

「私たちのグループでは、幼なじみの夫婦の物語というところから、子どもから大人まで、誰が食べてもおいしいチョコレートをイメージしました」

 発表を聞いた上で、各グループの良かった点をまとめていく。他のグループから良い点をあげてもらうことで発表した生徒の表情は緩んでいく。

 今回の授業には、言葉を通して古典を現代につなげ、協働して創造するというねらいがある。自分の意見になかなか自信を持てなかった生徒が自分の考えを明らかにし、交流し、深め合う経験を経て自信をつけていった。この自信を持って、彼らは社会へ羽ばたいていく。

さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート

神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/

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