大地の記憶 神奈川の地層をはぐ(6)海底の光景読み解いて|カナロコ|神奈川新聞ニュース

大地の記憶 神奈川の地層をはぐ(6)海底の光景読み解いて

二枚貝ウラカガミを含む泥岩層のはぎ取り標本。ちょうど中央付近に密集層が見える。下段はアップの写真で密集層部分(左)と生息姿勢を保った個体(右)

 貝殻が一面に敷きつめられた海底、そんな光景を地層から読み解いてみよう。

 2005年、横浜市泉区下飯田町での遊水地工事に伴い化石を含む海成層が出現した。地層の露出が少ない今、掘削工事は、はぎ取り標本採取の貴重な機会となる。現場では、貝化石が地層中に入っている様子が2種類見られた。二枚貝がまばらに地層に見られる場合と、貝殻が密集層をつくっている場合である。

 まばらに見られる二枚貝(ウラカガミ)をよく見ると、殻を合わせ生息時の姿勢をそのまま保っている。ウラカガミは、今の生息地が「内湾の水深10メートル前後の泥の海底」であることから、この地層も同様の環境でできたと推定できる。

 一方の密集層は、激しい波などで砂泥が洗い流され、貝殻ばかりが海底に現れ層を成したと考えられる。長い地層の歴史からすればいっときの間だが、海底に貝殻が広がっていた光景を思い浮かべてほしい。

(県立生命の星・地球博物館 田口 公則)

特別展「地球を『はぎ取る』」が11月5日まで小田原市入生田の県立生命の星・地球博物館で開かれている。貴重な地層のはぎ取り標本など実物約100点が展示される。原則月曜休館。一般720円、学生・20歳未満400円、高校生・65歳以上200円、中学生以下無料。問い合わせは、同館電話0465(21)1515。

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