大地の記憶 神奈川の地層をはぐ(5)城の下に眠る液状化跡|カナロコ|神奈川新聞ニュース

大地の記憶 神奈川の地層をはぐ(5)城の下に眠る液状化跡

小田原城・二の丸中堀の調査で出現した液状化跡を立体復元したはぎ取り標本。側面に黒色泥層を貫いて噴砂が上昇している様子がみてとれる

 県西部では過去に何度も大地震が発生した。そのたびに小田原城は石垣崩壊などの被害を受けている。1991年に行われた小田原城・二の丸中堀における発掘調査では、住吉橋東側に液状化現象の痕跡である噴砂脈が出現した。地震の際、下部の砂層で液状化が生じ、上位の黒色泥層を貫いて噴砂が上昇したものだ。

 調査では噴砂脈の断面を見るべく、深さ60センチの四角い穴を掘削した。この穴の四つの側面をはぎ取ったことで、標本は四角い箱のような形となっている。地盤の貴重な資料である。噴砂脈の断面からは下部の砂層に生じた噴砂が幅を広げながら上昇したことが分かる。発掘調査後、現場は埋め戻されこの液状化の跡を見ることはできない。だが、はぎ取り標本はいつでも観察可能である。ぜひ、標本を大地の歴史の解明につなげたい。

(県立生命の星・地球博物館 田口公則)

特別展「地球を『はぎ取る』」が11月5日まで小田原市入生田の県立生命の星・地球博物館で開かれている。貴重な地層のはぎ取り標本など実物約100点が展示される。原則月曜休館。一般720円、学生・20歳未満400円、高校生・65歳以上200円、中学生以下無料。問い合わせは、同館電話0465(21)1515。

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