大地の記憶 神奈川の地層をはぐ(1)はぎ取り標本は古文書|カナロコ|神奈川新聞ニュース

大地の記憶 神奈川の地層をはぐ(1)はぎ取り標本は古文書

栃木県那須塩原市にある約30万年前の湖の底の地層で、はぎ取り標本を製作する様子

 地層が見える崖に接着剤を付け、布等を貼り付ける。乾いたところで崖の表面を粒子ごとベリッとはがし取れば「地層はぎ取り標本」の完成だ。標本の厚さはわずか数ミリ。じゅうたんのように巻いてコンパクトに保存もできる。

 地層は1層ずつ順番に積み重なり、地球の歴史を記録する。写真の地層も、1ミリ程度の細かなしま模様が夏と冬の季節の変化を示し、やや厚い層が火山の噴火の証拠となる。地層を丹念に読み解けば、いつどこで何が起こったのかが分かる。つまり標本は大地の古文書といえるものだ。

 貴重な地層が開発工事等で永久に失われてしまうことも多い。だが、はぎ取ることによって地層を広い範囲で標本化し、後世に伝えることができるようになった。当館では長年「地層はぎ取り標本」を収集、保存してきた。その標本が記す“大地の記憶”を伝える。

(県立生命の星・地球博物館 石浜佐栄子)

地層にはいつ、どんな場所でできたのかという「時」や「場所」の記憶、地震や火山の噴火などの「事件」の記憶など、大地のさまざまな記憶が刻まれている。いま県立生命の星・地球博物館で開かれている特別展で展示する「地層はぎ取り標本」を例に、神奈川の大地にどのような記憶が残されているか紹介する。

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