育て下水道マニア 川崎、大師高校の連携講座が注目集める|カナロコ|神奈川新聞ニュース

育て下水道マニア 川崎、大師高校の連携講座が注目集める

豪雨対策などで建設中の大師河原貯留管を見学する高校生たち=9日

 県立大師高校(川崎市川崎区)が夏に開催している高校生のための連携講座「下水道マニア」が注目を集めている。マンホール内の見学をはじめ「下水道」に5日間どっぷり漬かる、まさに「マニア」養成講座。昨年には下水道の役割を伝える活動を表彰する「国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)」を受賞した。「市民にとってはベールに包まれた存在である地下の川」の役割を学び、環境保全に努める応援団を育てるユニークな試みだ。

 講座は2年前に始まり、今年から県内の総合学科を持つ高校の生徒は単位も取得できるようになった。このため同校の14人をはじめ金沢総合高4人、鶴見総合高1人の計19人と、昨年のほぼ倍の受講者となった。

 生徒らは今月7~11日、大師高近くにある雨水用のマンホール内に下りたほか、地下17メートルにある長さ2キロの大きなトンネルの貯留管やポンプ場、水処理センターなどを見学。下水汚泥からできた肥料を使い生徒が校内で栽培したピーマンやナスを使ったカレーの調理(ビストロ下水道)や研究発表など計35時間学んだ。

 講師は、県立相模原青陵高校の「マンホール博士」と呼ばれる教諭や大正大准教授、建設業者など多彩で、特に市上下水道局は職員約25人が協力する、力の入れようだ。講座を通じてさまざまな分野の社会人と交流でき、キャリア教育にもつながっているという。

 家庭で洗顔した水や、水処理センター、多摩川で採取した水の水質検査も実施。「川の水質が改善されているのは、足元を流れる見えない川『下水道』の働きがもたらす効果」(大師高教諭)を実感した。

 初めは「足元のことなんて知らないし興味がなかった」「下水道って汚いイメージしかなかった」という生徒たちも、最終日には「こんなに大切なのだからもっと知ってもらえるようSNS(会員制交流サイト)やCMを作ってPRすべき」「災害時にトイレが使えなくなるということを身近な人にも伝えていきたい」などと真剣に考え、「下水道高校生宣言」として提案した。

 大師高3年の生徒(17)は「水は生活や川、海と循環しているが、人がいかに汚しているかが分かった。台所から油を流さないなど下水道にやさしい生活をしていきたい」と話した。

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