船乗り4人「女子会」 職場は海、働く魅力|カナロコ|神奈川新聞ニュース

船乗り4人「女子会」 職場は海、働く魅力

世界をつなぐ港町を行き来し自然と向き合う日々

仕事のやりがいを話す(左から)西村さん、岡部さん、尾崎さん=大さん橋ホール

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 船に乗り海で働く船乗りの現場で、女性の活躍が目立ってきた。外航船や内航船、観測船の航海士と練習船の機関士の女性4人によるトークイベント「海の女子会」が今月、横浜市内で開かれ、船員を目指した動機や仕事の魅力、やりがいについて語り合った。

 海運大手、日本郵船に勤める1等航海士の西村遥さん(30)は、外国航路の大型船で勤務する外航船員。コンテナ船や液化天然ガス(LNG)船、自動車専用船、ばら積み船など10隻ほどに乗船した。

 海外から日本に運ばれる荷物の割合は99・6%。外航船員は誇りを持って仕事をしていると語る西村さんは「世界は海でつながっていて、船に乗ればいろいろな出会いがある。大きな船を動かして国民の生活を支える。これほどスケールの大きな仕事は他にない」。少しでも海や船に興味を持ってもらえればと期待する。

 国内の港を結ぶ内航船社の福寿船舶(静岡市清水区)。2等航海士の岡部涼子さん(33)は、高校に入学する前に船乗りになろうと決めた。「内航船は3カ月間乗って1カ月間もまとまった休みがある。給料は多く、いろいろな海の生き物に出合えるので面白そう」というのが動機だった。

 岡部さんが乗船するのは自動車船で、北海道から九州まで国内を運航する。毎日港に入り、その港ごとにコンビニや本屋、スーパーなどに出掛けたり、郷土料理を食べに行くのが楽しみ。

 自動車船は、台風などで海がしける中でもどんどん走る。岡部さんは「船酔いしても、航海士としてのプライドを胸に頑張っています」と前を見据えた。

 尾崎菜奈さん(35)は、海洋に関する研究と、それを支える船、機器、ロボットなどの開発、運用を行う海洋研究開発機構(JAMSTEC、横須賀市)で働く。海洋生物や海洋資源、地球環境を調査する観測船の航海士で、観測作業も担当している。

 通常は20日前後が多いが数カ月の航海もある。自然と向き合う日々で、日常ではできない経験の連続だ。「天候が悪く何日も観測ができないことがある。だからこそ、成果が出たときは非常にうれしい」と熱く語る。「船乗りは私を成長させてくれる仕事で、それだけに船舶、特に観測船の認知度を上げたい」

 海技教育機構(JMETS、横浜市中区)の佐藤歩美さん(36)は、未来の船乗りを育てる教官だ。JMETSは全国8校で船の知識や技術を教え、5隻の練習船を運用している。

 佐藤さんは、練習船の機関士でもある。教官として海技大学校(兵庫県芦屋市)でエンジンルームシミュレーターを使った講習や、生存技術習得のための訓練も行っている。

 「このイベントをきっかけに、将来なってみたい職業の一つに船乗りを入れてもらえればうれしい」と語り掛けた。

 会場からは、4人に質問が相次いで寄せられた。

 JAMSTECの有人潜水調査船「しんかい6500」のパイロットになることが夢という女児は、母船「よこすか」の船内の様子について質問。尾崎さんは「年に数回一般公開をしているので、ぜひ来てください」と答え、夢をかなえようとする女児に会場から拍手が送られた。

 「海の女子会」は、海や船に関わる職場を広く知ってもらおうと、国土交通省関東運輸局が主催。同市中区の大さん橋ホールで5、6日に開かれた「海洋都市横浜うみ博2017」の一環で催された。

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