やまゆり園殺傷1年 「宝物」は一人一人に|カナロコ|神奈川新聞ニュース

やまゆり園殺傷1年 「宝物」は一人一人に

知的障害者らでつくる「にじいろでGO!」会長 奈良崎 真弓さん

 「障害者はいらない、不幸」という植松(聖)氏の言葉に心が割れました。

 約20年前に亡くなった兄の勇は、皆さんがいう「重複障害」です。兄がもしやまゆり園にいたらと考えてしまいました。幸せだった? 誰か事件から助けてくれた? 答えは出ないです。

 私は知的障害があります。小学5年の時、いじめられていました。受験勉強を始めた友達に勉強がついていけなくて、ばかにされました。ストレスで髪が抜け、胃に穴が開きました。

 差別はいろいろな所にあります。もう二度と同じような事件は起きないから大丈夫だと、はっきり言えますか? 私は今も怖いです。

 障害がある人もない人も一緒に自分の言葉で本音を話し合おうと、昨年11月からワークショップを開いています。事件に怒る。事件が悲しい。自分はこんなことをしたい。こんなふうに生きたい。話し合って知ることで、お互いを大切にしていきたいからです。

 (主催する)グループの名前は「にじいろでGO!」。障害がある9人のほかメンバーは21人。一人一人それぞれの色があってよい。それが「にじいろ」です。この活動や思いをDVDや書籍にして、全国に広める準備をしています。

 事件から1年。7月の集まりでは障害者、支援者、家族、きょうだい、専門家、学生がごちゃまぜで話しました。「今も植松氏を許せない」「もう一回(福祉の)現場で命の大切さを勉強してほしい」。いろいろな声を聞きました。どんな声も、その人の色だからそれで良いんです。

 相模原の仲間は、今も130人以上の人が生きています。そんな事件のことを知らない、話したくない人もいます。無理して頑張る必要はない。でも、本当はつらいことも伝える義務があります。よく考えるのは、障害がある本人にどう情報を伝えるか。「地域移行」といわれています。どんなところに住み、どんな風に生きたいか。社会の動きが分からなければ考えられません。話し合うことで、その人に伝わる情報を一緒につくっていきたい。
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