将棋のはなし(18)過熱報道の裏でいい話

日本将棋連盟指導棋士五段、本紙将棋担当記者

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2017/08/02 16:47 更新:2017/08/02 16:51
【2017年7月30日紙面掲載】

 第33回詰将棋全国大会が16日、名古屋市で行われ、約130人が参加した。会場には藤井聡太四段の姿もあった。

 私がそのことを知ったのは終了後。「分かっていれば行ったのに」などと思ってしまった。同じ気持ちの人も多いと思う。その裏には関係者の配慮があった。

 藤井四段の来場は事前に公表されなかった。さらに当日の会場では「大会終了まで情報配信は自粛して」というお願いがあったそうだ。そして私の知る限り、それは守られたようである。

 全日本詰将棋連盟の柳田明会長は「取材陣での混乱と、出待ちや入り待ちを避けるため」と話す。例年通り楽しむため、皆がひとつになった結果といえるだろう。昨今の過熱報道に恐怖すら感じていた私としては、うれしく思った。

 「藤井さんはとても楽しそうでした。対局後のインタビューでは、あんな自然な笑顔は見られないです」と柳田会長。
 全国大会では解答競争も行われ、藤井四段が優勝。しかし1問だけ3手詰めで誤答があった。腕自慢の人はチャレンジを。ちなみに私は、何とか自力で解けました。


【詰め将棋の解答】
 ▲4九角△5四香▲1六角まで3手詰め。
 初手を記入する形式で出題されたため、2手目は非限定。藤井四段は初手▲8三飛不成と誤答。不成が△7四歩を打ち歩詰めにする手筋だが、△7四香合で失敗。玉方の持ち駒に香があるのをうっかりしたそうだ。

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