女性活躍 海上保安官 気配り 貴重な戦力に|カナロコ|神奈川新聞ニュース

女性活躍 海上保安官 気配り 貴重な戦力に

持てる力発揮して 仕事の手応えつかむ 夢は海の捜査官

片山船長の隣で舵(かじ)を握る金森さん(右)=巡視艇「いそづき」

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 男性潜水士の活躍を描いた映画「海猿」の印象が強い海上保安庁で、女性職員が活躍の場を広げている。男女とも勤務内容や処遇、転勤などの条件は全く同じ。第3管区海上保安本部(横浜)管内では女性海上保安署長が誕生している。将来、捜査官を目指す若い女性職員に仕事のやりがいや職場環境を聞いた。

 横浜海上保安部(横浜市中区)の巡視艇「いそづき」航海士補の金森由真さん(25)は3年目の海上保安官。大型巡視船に1年間乗船した後、主に操舵(そうだ)員として勤務している。

 海釣りが好きで日本大学で海洋学を専攻。学生時代は湘南キャンパス(藤沢市)に通いながらマリンレジャーを満喫していた。海上保安官志望の友人とともに湘南海上保安署(同市)を職場訪問したことがきっかけとなり、卒業後に海上保安学校(京都府舞鶴市)に入学した。

 「泳ぎが苦手で、特にスピードが遅かった」と金森さん。放課後にプールで練習を重ね、1年間の学校生活で泳ぎに自信が持てるようになった。

 いそづきは片山貴巳船長(60)のほか8人が乗り組む。女性は金森さんだけだが、いずれも若い世代ばかりで最年少は21歳だ。

 金森さんの父親世代にあたる片山船長は「船はチームワークで動くので、細かいところに気を回せる女性職員は頼りになる。力がないところは仕方がないが、むしろ戦力としては男性よりも上」と目を細める。金森さんも「現場で重い荷物を持ったり、体力的につらいなというときは無理せずに他の人に頼みます」と明かす一方で、「指示があればすぐ動けるよう心掛けている」と気を引き締める。

 金森さんの夢は、海の事件や事故で出動する捜査官になること。参考人だった中国人女性の取り調べに立ち会った経験がある。

 日本語がつたない女性に対して、男性海上保安官と通訳が1人ずつ。金森さんが間に入って笑顔で接したことで緊張がほぐれた。「最初に比べればうまく話せるようになってきた。女性職員として業務をこなせたと思った」と手応えをつかんだ。

 休日は同僚らと釣り船で海釣りを楽しむ。同僚には結婚・出産後もさまざまな職場で働く女性職員が多い。「男性でも家庭の事情で休みが取れる職場環境。安心して働き続けられます」

 3管人事課によると、2013年度は全職員1583人のうち女性は73人(4・6%)だったが、次第に増え続け、17年度は1539人中に107人(7・0%)となった。特に多いのが東京湾海上交通センター(横須賀市)で、運用管制官のうち約20%が女性職員。陸上勤務に加えて勤務時間が決められていることから女性職員が働きやすい面もある。

 海保は1979年から女子学生の採用を開始。女性職員による巡視船艇の船長やパイロットが誕生しており、2015年4月には木更津海上保安署(千葉県木更津市)に海保初の女性署長が着任した。
 海上保安庁は、海上保安学校と海上保安大学校(広島県呉市)で17年度の学生採用試験を予定している。18年4月から海保学校に管制課程を新設し、高い技能を持った運用管制官を養成する。インターネットでの受け付け期間は、海保学校は7月18日~27日、海保大学校は8月24日~9月4日。

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